Web制作している僕が「kobo 騒動」から感じたこと
「Kindleが待ちきれず、楽天kobo Touchを買ってしまった 〜開封から使った感想まで〜」で「kobo Touch」を購入したことを書きました。
登録されている本が少なく、なかなか読みたい本がないのですが、あれから本はもちろん、普段読まないマンガも試しで買って読んでみました。
前回も書きましたが、特につまずくようなところはく普通に使えているので、そんなものかと思っていたのですが、うまくいっていない人もいたようです。
kobo touchのレビュー
7月28日の時点で5,255件のレビューとなっていますが、「kobo touchのレビュー(楽天市場)」を見ると、キビシイ結果となっています。
ただ、レビューを眺めていると、問題は「kobo Touch」だけではないように感じました。
- とにかく反応が鈍いし、白黒反転がチカチカする
→電子ペーパーってそんなもんじゃないのかな? - 無料の本は古典的な7冊のみ
→著作権のきれた古典的なものが多くなるんじゃないかな? - 反射型LCDなのである程度はやむをえないとしても非常に液晶の応答速度が遅い。
→反射型LCDでも、液晶でもないかと・・・ - 確かにかなり感度が悪く、残像が残り、使いにくく、かつ本も高いので買う気がおきません。
→残像はページリフレッシュの設定で調整できます。 - まず付属のケーブルがない・・・
→箱のトレイの下に入ってます。 - アイフォンなどのスマホに慣れてる人は最低と感じるくらいの使いにくさで何より遅すぎる!
→電子ペーパーの電子書籍端末をアイフォーンと比べてはいけないかと・・・ - この時代に暗い場所でライトが必要だなんて初期のゲームボーイレベル!!!
→商品説明ページにも書いてあります。 - 文字の大きさが変えられない、説明書がお粗末。
→えっ? 変えられますよね? - 素直に、ipad買うべきでした。
→もとからiPadの代わりにはならないでしょう・・・ 最初からiPad買ってください。
で、次のレビューを見てハッとしました。
まず説明書がないのでわけわからんし、USB抜いてるのに、ずっと充電中の画面でフリーズ。何しても変わらないので、カスタマーセンターに電話してるが、すでに20分つながらず・・・てか保証書も入ってないし・・・
すっかり忘れていました。
これを読んで思い出したけど、僕も一度フリーズしてました。
でも当たり前のように、裏側のリセットボタンを押して、すぐ再起動させました。
フリーズしたら、再起動させるものだと思っていたからです。
楽天にも問題があったことは確かです。
でも、使う人ももう少し商品の特徴を買う前に理解して、自分の求めているものかどうか判断する必要があったのではないかと思います。
買う前からわかっていたことや、使い方を理解すれば解決するようなことも多く感じました。
でも、これも楽天の説明不足ってことになるのかな?
三木谷社長の発言で気づいたこと
さすがに楽天も問題だと思ったようで、「大きなミスを犯してしまった」とコメントしています。
そして、楽天がルー語でこんな求人を出していたことも話題になりました。
【イーブック事業】マーケティングマネージャー
「転職なら[en]転職コンサルタント -年収800万以上の転職情報満載-(ウェブ魚拓)」より
カナダのKoboチームと時折コミュニケーションを行い、グローバルな ベストプラクティスを実践していただくグローバルなオポチュニティです。
わかる人にはわかるのでしょう。トゥギャザーしようぜ?
一方、楽天・三木谷社長は「細かいことで騒いでいるのは少数派ですよ」なんて発言しています。
初期設定の問題で細かいトラブルはあったけど、2日で解消できたし、コールセンターも24時間対応して、購入者の95%以上がアクティベーション(セットアップ)できてるとのことです。
ここで気になったのが三木谷社長のこの発言です。
ただ、このコボは使い続ければすぐに使い方が分かるようになるはずです。すべてをアイコン化しているので直感的なんです。最初は分からないかもしれませんが、慣れてくると非常に使いやすく感じるはずです。
思い出して下さい。ウインドウズが出てきたときにはあまりにも使ったことがない人が戸惑いました。初心者にはボタンに「設定」とはっきり書いていないと何をするボタンか分かりません。一方で、上級者にはダサく見える。まだ発売して1週間です。そのうち手足のように使えるようになるでしょう。私もまだまだ知らない機能を発見してびっくりしたところです。
「設定」ページへのリンクは「歯車」のアイコン。
僕はたまたまいつも使っているiPhoneやMacの「設定」が「歯車」アイコンだったからか、これは何も疑問に感じず、普通に使っていました。当たり前の話で、誰でも知っていると思い込んでいました。
またWindowsのアカウント名に漢字を使っている人も、うまく設定できなかったようです。
まさか漢字をユーザーアカウント名にしている人がいるのかと思ったし、漢字のアカウント名を許しているウィンドウズにも驚きました。これは米アップルのMacでは許可されていません。つまり、2バイト対応していなかったんです。
気をつけないと、いけないのは「歯車のアイコン=設定」「アカウント名に漢字を使わない」など、こんな思い込みですね。
僕が楽天の担当者だったとしても、同じ間違いを起こしていたかもしれません。
「歯車のアイコンにしておけば、たいていの人は「設定」ってわかるだろうし、わからない人もタップして開けば、とりあえずわかるでしょ?」
みたいな感じで。
普段Webサイトを制作していて「これは説明しなくても常識なのでわかるはず」と思って、判断していることもあります。今回のような大きな騒ぎにはなってないけど、僕が常識と判断したルールがわからず、困っている人もいるのだろうとあらためて考えてしまいました。
「kobo Touch」も、不具合のあった人は気の毒でどうしようもなかったと思いますけど、もう少し取説やマニュアル、ヘルプを充実させておくだけで、すんなり使える人がもっと増えたのではないかと思います。
三木谷社長によると、販売台数は10万台弱程度だそうですが、それだけの数を売るのだったら、パソコン、インターネットが得意じゃない人も当然多くいると考えると、やっぱりもう少し準備が必要だったのかなと思ってしまいます。
最後に
これは前回書いたことです。
まだまだ登録されている本が少ないので、誰にでも勧めることはできないけど、これで本の数が増えたら、案外イケるんじゃないかなぁ〜?って思いました。
ただし、誰でも使えるように普及させようと思えば、今のままでは不十分だと思います。
パソコンがなくてもセットアップできて、「kindle」や「SONY Reader 」みたいにWi-Fi以外に3Gも使えて、専用充電器も付属する。
つまり、「kobo Touch」だけで利用できるようにしなければ、パソコンとWi-Fi環境が必須だと、使える人が限られるなと。
本当に普及させようと思えば、パソコンとWi-Fi環境だけでなく、本当に誰でも使えるようなサポートも必要ですね。
普通、こういうものは、最初は我々のような新しい物好きだけが買い、そこで人柱となる。もちろんトラブルなども起こりやすいけど、ある程度のリテラシーでなんとか回避し、そこでのノウハウを活かして、普及できるような商品、価格帯で多くの人に向けて売る。
という流れになることが多いと思うのですが、今回はのんびりしていると「kindle」がスタートしてしまうので、そういうわけにはいかなかったのでしょうね。
三木谷社長の発言通り、問題が収束しているのならいいのですが、「kobo デスクトップアプリ」についてはまだまだ改良して欲しい点もありますし、本の数もまだまだ少ないと思いますので、楽天にはがんばっていただきたいと思っています。
あと「kindle」のことも忘れたわけじゃないので、Amazonにもがんばっていただきたいなと。