「ビッグデータ」と聞いてピンとこない人に「ビッグデータ時代の新マーケティング思考」
「ビッグデータ時代の新マーケティング思考」(横山 隆治、海老根 智仁、鹿毛 比呂志)を読んだ。
「ビッグデータ」って何?
ビッグデータの時代になると、どうなるの?
って人向けの入門書的な本だった。
ある程度わかっていると、物足りないだろう。
どんな本?
これから広告やマーケティングがどのように変わっていくか書かれているが、この本を読んで、「よしっ!明日から我が社でも導入するぞ!」だとか、「順番にできることから始めていこう!」とはならない。
章のタイトルを並べてみると、こんな感じだ。
CHAPTER 1 ビッグデータの時代
CHAPTER 2 ターゲットの再定義
CHAPTER 3 ビッグデータ時代のマーケティングコミュニケーション
CHAPTER 4 未来の顧客を発見する
CHAPTER 5 反応者志向の発想でビジネスの常識が変わる
メインのターゲットは、広告代理店になるのかな?
でも、広告、Web制作、CRMに携わる人も理解しておいた方がよいのではないかと思った。
ここに書かれている通りになれば、それぞれ求められるスキルや人材が変わってくる。
「新しい仕事ができる!」という人もいれば、今まで通りのことだけやっていれるうちに仕事がなくなっていく人もいる。
ビッグデータ時代のWebサイトとは?
Webサイトについては、このように書かれていた。
カタログや新聞雑誌広告など従来のメディアの概念のまま作るのではなく、アクセスした人に最適化されるべきである。つまり、Webで提供される情報は、アクセスしてくるユーザー目線に合わせ、その目的にあったものにするべきだと。
それは、訪れた人は目的以外のものは目に入らないからであり、逆に目的に合わない情報があることはユーザビリティを損ねていることになる。
これを実現するには、分析するツールやスキル、リコメンドなどの仕組みが必要になってくるが、何もかも自前で持つ必要はない。
コンテンツは外部のデータベースをAPIで接続すればいいし、顧客データベースもFacebook、Twitter、Open IDなどを利用するなど、他のWebサービスから借りればいいということだが、自前で作るにしても、借りるにしても、お金がかかる。
分析できる顧客データベースなど用意しなければいかなくなると、それなりの金額になってくるだろう。お金をかけずに作ったWebサイトで一発当てるみたいなことは、難しくなってくるかもしれない。
逆に、何の目的も目標もなくとりあえず印刷物をそのままWebで公開しているだけみたいな、旧態依然としたサイトはただ情報を公開しただけになる。
目標を明確にして、予算をたてて、広告やシステムにお金をかけていかないと「予算がないので、Webにそこまでお金を出せません」なんて言っていては公開している意味がない。
最後に、今後もビッグデータは活かされていくだろうが、個人的には、ここまで世の中が変わってしまうのかな? と、ちょっと気になった。