子供にはオススメできない、子供向け「神様ゲーム」

「神様ゲーム」(麻耶 雄嵩)を読んだ。

神様ゲーム(麻耶 雄嵩)

今回も「kobo」で読んだ。
これは「講談社ノベルス」の本が電子書籍化されたものだが、元々は「講談社ミステリーランド」から出版されていた。
「講談社ミステリーランド」は、「かつて子どもだったあなたと少年少女のため」がコンセプトの児童向けの本だ。

だから装丁も、上のおどろおどろしい「講談社ノベルス」版と違って、「講談社ミステリーランド」版はかわいらしい。

しかし、実際に読んでみると、とても子供向けとは思えないような話だった・・・

あらすじはこんな感じ。

小学4年生の芳雄の住む神降市で、連続して残酷で意味ありげな猫殺害事件が発生。芳雄は同級生と結成した探偵団で犯人捜しをはじめることにした。そんな時、転校してきたばかりのクラスメイト鈴木君に、「ぼくは神様なんだ。猫殺しの犯人も知っているよ。」と明かされる。
大嘘つき? それとも何かのゲーム?
数日後、芳雄たちは探偵団の本部として使っていた古い屋敷で死体を発見する。猫殺し犯がついに殺人を?
芳雄は「神様」に真実を教えてほしいと頼むのだが......。

Amazon.co.jp: 神様ゲーム (講談社ノベルス): 麻耶 雄嵩, 原 マスミ: 本」より

少年探偵団が登場したりして、子供の頃読んだポプラ社の江戸川乱歩シリーズを想像したりしてしまいそうになるが、ぜんぜん違う。まったく違う。

人が死ぬシーンの描写がちょっと残酷な気もするが、昭和の子供と違って、最近の子供ならこれくらい受け入れられるのかもしれない。

子供が読んでも大丈夫なのか? と、気になったのは、芳雄の出した結論だ。そこに行き着くまでの推理が子供向けとは思えなかった。

さらに後味が悪く、突き放した終わり方は、この本を読んだ子供が本嫌いにならないか心配になる。
初めて読んだ本がこの本なら、次に本を読むのがイヤになるかも?

ちなみに大人の僕は、ラスト3分間を録画できなかったドラマを観たような気分になった。
えっ? これで終わり?
どういうこと???

そのまま理解すると、矛盾が起こってどうやって犯行したのかわからなくなる。こう理解したら、筋は通るけど・・・ う〜ん、なんだかスッキリしない・・・

これはどう理解すればよいのだ・・・