「勁草」年寄りを騙してなけなしの金を奪う人間のクズに胸くそ悪くなった

「勁草」(黒川 博行)を読みました。

勁草(黒川 博行)

明日は我が身「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」」で紹介しました「下流老人」に載っていたオレオレ詐欺や、貧困ビジネスそのまんまの世界でした。

オレオレ詐欺の被害者から金を受け取る「受け子」の橋岡の住んでいる釜ヶ崎のアパートがまさにそれで、表向きは「大阪ふれあい運動事業推進協議会」といういかにもなネーミングのNPO法人なのですが、実際には生活保護受給者を囲い込んで食い物にしていました。

年寄りを騙してなけなしの金を奪うという碌でもない人間のクズの話は、読んでいて胸くそ悪くなりました。さらに無計画に犯罪に手を染めていくのですが、それが信じられないくらい自分勝手な都合で、読んでいると腹が立ってきました。

自分には受け入れられず、近寄るのもイヤな世界ということが、よくわかりました。なんとかこのような犯罪を撲滅してもらいたいものです。

橋岡と、それを追う大阪府警特殊詐欺班の刑事・佐竹の両側から交互に描かれているのですが、読んでいるうちに「佐竹、絶対つかまえろ!」「いや、なんとか逃げろ!」と、橋岡にも感情移入できて楽しめました。

あまり中身がないと言えばない話なのですが、おもしろく、一気に読んでしまいました。

ところで、タイトルの「勁草」ですが、どのような意味なのでしょうか?

けいそう[勁草]

風などに負けない強い草。また,節操・思想の堅固な人のたとえ。
大辞林 第三版

意味を調べたけど、どうしてこのタイトルになったのか、わかりませんでした。
どういう意味?