介護なんて関係ないと思っているなら「介護ビジネスの罠」を読むべし

「介護ビジネスの罠」(長岡 美代)を読みました。

介護ビジネスの罠(長岡 美代)

読んで愕然としました。
これはヒドい。

サービス付き高齢者向け住宅で横行する「囲い込み」、患者の獲得をめぐって手数料をやりとりする「患者紹介ビジネス」、シニアマンションと称して無届けで運営する「老人ホームもどき」など、この本を読むまでぜんぜん知らない話ばかりでした。

「措置から契約へ」を謳い文句に始まった介護保険だが、それは言い換えれば「福祉からビジネスへ」の転換でもあった。介護サービスには多かれ少なかれ福祉的な要素が必要になるが、現状は利益優先の事業者が跋扈している。「いかにして儲けるか」ばかりを考え、あの手この手で高齢者を狙っている。その罠は巧妙で、ひっかかっても本人はもとより家族も気づいていないことが少なくない。

金儲けになるとわかると、有象無象が集まってくるのはどの業界も同じだと思います。何が気分悪いと言えば、扱われいるのが高齢者、人間だということです。将来の自分でもあるわけです。

それを「金儲けの道具」しか考えていない輩が参入しているのです。当然、人間らしい扱いなんてしない人や業者もいるということです。

何の楽しみもなく、死なないようにただただ生かされているとしか思えない扱いをされている高齢者の話は、読んでいて気分が悪くなりました。

そういう業者はそれが将来の自分の姿に見えないのだろうか? と疑問に感じました。

自分は介護とか関係ないし・・・と思う人もいると思いますが、入居者を介護漬けにして、利用限度額めいっぱいの介護報酬を稼ぐ「限度額ビジネス」など、公金が使われているので、無関係の話ではありません。

また、この本を読んで説明されてなんとか理解できたものの、多くの人は騙されたり、食い物にされていても、気づかないのではないかと思います。

最後にこのように書かれています。

今後も手を変え品を変え、高齢者を食い物にする事業者は出てくる。悪徳・悪質業者との闘いに終わりはない。制度は不具合が見つかったらすぐに見直すだけでなく、どう上手く運用させていくかにも力を入れて欲しい。そうでなければ、いくら老人ホームや介護事業所の数ばかり増えても、老後不安は払拭されない。

あらためて、死ぬときはポックリ死にたいと思いました。