「陽気なギャングは三つ数えろ」よい意味でいつもと同じパターンだった

「陽気なギャングは三つ数えろ」(伊坂 幸太郎)を読みました。

陽気なギャングは三つ数えろ(伊坂 幸太郎)

これは「陽気なギャング」シリーズの三作目です。

一作目の「陽気なギャングが地球を回す」が出たのが2003年2月、二作目の「陽気なギャングの日常と襲撃」が2006年5月、そしてこの「陽気なギャングは三つ数えろ」が2015年10月なので、実に9年ぶりの新作となります。

伊坂幸太郎自身も「あとがき」でそのことについて書いていますが、「間、空けすぎやろ!」とつっこまずにはいられません。てっきりこの「陽気なギャング」シリーズはもう書かれないと思っていたくらいです。主役の4人については、さすがに覚えていましたが、そのまわりの人についてはスッカリ忘れてしまっている人もいたので、一作目、二作目を読み直してから読んだ方がより楽しめたかもしれません。

「陽気なギャングが地球を回す」はかなり好きな本で、「何かおもしろい本はない?」と聞かれた時、よくオススメしていました。あまり読むのに時間がかからないし、誰が読んでもイヤな気分にならないし、きっと笑えるので、あまり本を読まない人でも楽しめると思っていたからです。今、同じ質問をされたら何をオススメするかな?

ちなみに「陽気なギャングが地球を回す」は2006年5月に映画化されました。大沢たかお(成瀬)、佐藤浩市(響野)、松田翔太(久遠)、鈴木京香(雪子)という結構豪華なキャスティングでした。もちろん観ましたが、ガッカリしたので、こちらはあまりオススメしません。

さて、この「陽気なギャングは三つ数えろ」ですが、嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女の4人組の銀行強盗がトラブルに巻き込まれるという、よい意味でいつもと同じパターンです。

軽快で楽しい会話、どうでもいいような蘊蓄や情報もいっぱい入ってくるのですが、それらの多くは伏線で、あとからいろいろ関係してきます。そして、クライマックス。何のことだかわからなかったことや、いくつかの問題が一気に解決して、エンディング!

「おもしろかった〜!」
「読んでよかった〜!」
今回も読んだ人の多くがそう感じるのではないでしょうか。きっと楽しめるはず。

「何かおもしろい本はない?」と思ってる方、とりあえずこの「陽気なギャングは三つ数えろ」を読んでみてください。難しいことを考えることもなく、イヤな気分になることもなく、90分から2時間ほど、楽しい気分になれるはずです。

もし「陽気なギャング」シリーズを読んだことがないなら、それはラッキーです。オススメの本が1冊から3冊に増えました。ぜひ「陽気なギャングが地球を回す」→「気なギャングの日常と襲撃」→「陽気なギャングは三つ数えろ」という順に読んでください。もっと楽しめるはずです。