アンカラ・ムルカ、ギブ・ミー・パワー! 本当は恐ろしい「シー・トレマーズ」
観てからちょっと時間が経ったが、「シー・トレマーズ」を観た。
そんな映画やってたっけ? と思う人が大半だと思うけど、ちゃんと実在する。
このポスターを見ただけで、これはちょっとヤバいんじゃないか? と感じた人もいるだろう。
この場合の「ヤバい」はもちろん、悪い意味での「ヤバい」だ。
このヤバい雰囲気にひかれて、何の前知識もないまま映画館に行った。
始まって1分も経たないうちに「えっ?」となった。
画面いっぱいに「Amphibious 3D」とでっかく表示された。おそらく原題だろう。
「3D? 3Dメガネ持ってないぞ!」
外に出られない部屋に閉じ込められて、自分だけ潜水用具を持たない状態で、ドドドドドと水が流れ込んできて、足下の水位が上がってきている気分だ。
「やべぇよ。どうしよう?」と思っていたら、始まってしまった。
「あれ? 見える! 見えるぞ!」
3Dではなかったのか、裸眼で見えるではないか!
宇宙船がある惑星に着いた。自分だけ宇宙服を着ていないのに、宇宙船から外に出された。「もうダメだ・・・ ここで終わりか・・・ 死ぬ・・・ ん? 息ができるぞ! この星には酸素がある!」そんな気分だ。
とりあえず3Dメガネなしでも見られるのはよかったが、これはヤリや矢が画面から飛び出してくるような3D向けの演出が出てくるはず。2Dで観るのはちょっと残念かも。
しかし、映画が終わってみると、そんなことはどうでもよくなるようなヤバい映画だった。
昔、ゴールデンタイム以外のテレビやレンタルビデオで観たB級、いや、C級映画。あんな感じ。
まさか、こんな映画を21世紀の映画館で観られるとは思わなかった。
物語はインドネシアの沖合にある漁場ジャーマルが舞台となるのだが、ジャーマルは予告編の最初に出てくる海に浮かぶ小屋だ。
この小屋、よくわからないのだが、木を組んで作った足場の上にある。まさか海底から足場を組んでいることはないと思うので、大きいかだや浮きの上に作られてプカプカ浮いているのだと思うのだが、そんな感じがしなかった。どうなってんの?
で、ここにいるヤツらが密漁したり、子供を奴隷のように扱ってたりと、悪いヤツらなわけなのだが、よく考えると、いろいろ疑問が出てくる。
船がないのだが、ここから逃げるようなことがあった時、どうするの? 小屋に収納しているのかもしれないが、そんな小さな船だと陸まで移動できなさそうだし・・・
床の下から網を沈めて、そこにかかった魚を収穫してるみたいだけど、移動しなくても魚が毎日集まってくるのか?
魚は誰かが毎日買い付けに来てくれるのか? 誰も来なくなったら、どうするのか?
この海の中で、いくらお金を稼いだところで、お金を使うものがない。それで嬉しいのか?
などなど、観ていると、どうでもいいようなことが気になってしょうがなかった。
結局、謎の生き物に一人、一人、殺されていくわけだが、「キャー!怖い〜!」とはならなかった。ロクでもないヤツらなので、逆に「よっしゃ〜!」と、謎の生き物側を応援してしまった。つまり、ドキドキ感や緊張感があまりなかった。
で、エンディング。多くの人が死んだなぁ・・・なんてなことを考えながら、余韻に浸っていたら、エピローグみたいなのが続いた。
ほう? と思って観ていたら、予想外の真のエンディングが待っていた。
あれ? この人って生きてたの? 死んだ人かと思い込んでいたよ。
えっ! 何よ、これ? キモイ・・・ 怖い〜!
C級感たっぷりの映画が好きな人なら、きっと楽しめるはず。
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