「2015年12月」に書かれた記事

「メカニックデザイナーの仕事論 ヤッターマン、ガンダムを描いた職人」(大河原 邦男)を読みました。

メカニックデザイナーの仕事論 ヤッターマン、ガンダムを描いた職人(大河原 邦男)

念のため、大河原邦男はヤッターマンや、ガンダムをデザインした人です。

帯に「日本初のメカニックデザイナーが語る、デザイン論、職人論、営業論」なんて書いてありますが、正直、そういう内容を期待すると、ガッカリするんじゃないかなぁ?

この『メカニックデザイナーの仕事論』は、メカニックデザイナーになるための本ではありません。おそらく、この本を読んでもメカニックデザイナーにはなれないでしょう。むしろ、アニメ業界とは全く関係のない人が手にしてもらい、「仕事とは何か」「ものを作るとはどういうことか」などを考えるひとつの機会になってくれたら幸いです。

このように最初に書いてあるのですが、う〜ん、過去の作品を振り返ったり、これまでの経歴や、安彦良和、富野由悠季といった人たちについて、軽く、浅く語る。
そんな感じだと思って読んだ方がよいと思います。

「メカニックデザイナーの仕事論 ヤッターマン、ガンダムを描いた職人」の挿絵

挿絵なども入っているのですが、2013年に兵庫県立美術館で開催された「超・大河原邦男展-レジェンド・オブ・メカデザイン-」で、原画で見たものも多かったです。さきにこの本で観てから、「超・大河原邦男展」で原画を観たら、もっと感動が大きかったのかも。

そんなわけで、大河原邦男がデザインしたメカはよく目にしていますが、大河原邦男自身がどんな人かはよく知りませんでした。
大御所らしく、気むずかしい、こだわりの強いデザイナーのイメージでいたのですが、アニメに興味ないだとか、仕事は断らないだとか、想像していた人物像とちょっと違いました。

そもそもメカデザイナーになった経緯も、意外でした。

東京オリンピックでグラフィックデザイナーの亀倉雄策のデザインしたポスターが格好いいと思い、ポスターを作るようなグラフィックデザイナーになりたいと考えるようになり、東京造形大学に行くわけです。

ここまでなら、わりとありがちな話ですが、いざ大学に入ってみたものの、横尾忠則の作品を見て、自分のセンスでは張り合えない。これはダメだ、太刀打ちできないと思うと、あっさりとグラフィックデザイナーの夢を諦めて、2年生のときにあまり人のやってなさそうなテキスタイルデザイン科に編入するのです。

「私は自分の能力を見極めてすぐに諦めるほうなんです」と言ってるように、その後もわりとあっさり諦めてしまったりするのですが、これは自分をよく観ているということなのかもしれません。

「アーティストではなく、あくまで職人」という話あたりは、仕事論になるのかな。

常日頃から、私はアーティストではなく「職人」だと言っています。メカニックデザイナーを「職人としての仕事」と考えているので、具体的な修正点や意見があれば対応しますし、監督が出したイメージを忠実に作画し、なおかつアニメで動かしやすく、商品化まで持っていくことに集中します。

監督に言われると、すぐに諦めてしまう。というわけではなく、「メカニックデザイン仕事請負人」みたいな感じで、望まれることは全部、文句を言わずにやっていくそうです。

仕事とは? みたいな話を期待していると、ちょっとガッカリするかもしれませんが、ファンなら楽しめるのではないでしょうか。

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