見た目に騙されるな! 意外とまじめな映画「ソーセージ・パーティー」

僕はアニメやCGアニメの映画はほとんど観ません。

「トイ・ストーリー」シリーズは何度も観たし、嫌いというわけではないのですが、実写の方が好きなのです。

ソーセージ・パーティー

最近「ソーセージ・パーティー」という映画があることを知りました。

食べ物版「トイ・ストーリー」みたいな映画かな? と思って予告編を観てみると、「トイ・ストーリー」にちょいエロとちょいグロを足したような感じです。

なるほど「R15+」で年齢制限もあるようです。

バカ映画、最高! イヤなことがあった時、気持ちが沈んでいる時にオススメ「世界の果てまでヒャッハー!」」で書いたように、難しいことを考えずに楽しめるバカ映画が観たかったので、ちょうどいいと思い、久しぶりにCGアニメの映画を観てきました。

今回も「ネタバレなし」なので、ご安心ください。

まず、大きく間違っていました。
「ちょいエロ、ちょいグロ」ではなく「大エロ、大グロ」でした。文字で書くと、なんとなく「大トロ」みたいな最上級感が出てしまいますが、「ドエロ、ドグロ」です。あぁ、これも「ドグラ・マグラ」っぽいか?

まぁ、そんなことはどうでもいい。とにかく「トイ・ストーリー」みたいな愉快で楽しそうな見た目とは裏腹に、ファミリーで観に行くような映画ではないということです。

「ソーセージ・パーティー」ソーセージのフランクとパンのブレンダ

ソーセージのフランクとパンのブレンダはお互いに惹かれ合っています。スーパーの外の世界である楽園に連れていかれて(買われて)、一緒になりたいと思っています。

「一緒になりたい」という表現を使いましたが、映画の中ではもっとエッチを想像させるような表現が使われています。ソーセージ同士の会話なんて、チ●チ●の話をしているとしか思えないし、パン同士の会話も同じです。

「ソーセージ・パーティー」仲間達と冒険する

で、なんやかんやあって、一緒になった仲間達と冒険するという話なのですが、何も考えずに表面的なところだけ観ていると、やたらと下ネタの多い食べ物版「トイ・ストーリー」に見えると思います。

でも、この映画それだけじゃないのです。わかる人が観ればわかると思いますが、人種や宗教、LGBTなどについても描かれているのです。僕もどれくらい理解できたかはわかりませんが、観ていて「これって、あのことか・・・?」みたいに、いくつか気づくところがありました。

いろんな映画のパロディも入っているようで、「このシーンはあの映画か!」と観ていて気づくと思います。そういうのを見つけるのも楽しいのではないでしょうか。

「ソーセージ・パーティー」不滅の命トゥインキー

映画以外にも細かいネタがたくさん仕込まれていました。

ジャンクフードの「トゥインキー」が保存食の仲間で、「不滅の命だ」みたいなことを言ってましたしたが、これは「トゥインキーは腐らない」という都市伝説が元ネタですね。

ジョージ・スティーブンス・アカデミーの1つの小さな教室実験では、それは「やや脆く」なったが、トゥインキーは30年間腐ることがなかった。

トゥインキー - Wikipedia」より

一度観ただけでは気づかないような細かいネタがまだまだいっぱいあると思います。

「ソーセージ・パーティー」ホーキング博士がモデルのガムのカス

ホーキング博士がモデルになっているとしか思えないガム(のカス)が攻撃されたシーンは、ターミネーターのT-1000(液体金属のターミネーター)みたいでカッコよかったです。

しかし、ホーキング博士がガムのカスでええんかいな?

「ソーセージ・パーティー」お尻や身体のライン、歩き方など仕草が艶めかしいブレンダ

ブレンダはどう見てもパンなんだけど、お尻や身体のライン、歩き方など仕草がやたらと艶めかしかったです。うまく描いてるなぁ。

何度も言うけど、男女入り乱れてのAV並みのエッチシーンもたっぷりと描かれているので、ファミリーや、つきあい始めたばかりのカップル、身体の関係のない友達などと観に行くと、気まずい思いをするか、これをきっかけに何か関係が変わるかもしれないし、変わらないかもしれないです。

個人的には、レイティングは「R18」でもよかったのではないかと思ったくらいなので、そういうのがまったくダメって人は覚悟して観ないとキツイかも。まぁ、フツーの人はそこまで気にならないと思うけど。

映画を観ている途中から気になっていたのは、この映画の終わり方です。

フランクたち食べ物から見ると、人間は自分たちを食べる敵です。人間をやっつけて食べ物が勝利すると、映画的にはハッピーエンドです。でも逆に、映画を観ている僕ら人間的にはトラジックエンド(バッドエンド)になってしまいます。

食べ物と人間が仲良くなるみたいなエンディングも考えられません。なんせ人間は食べ物を食べなければ死んでしまうし、食べると食べ物が死んでしまうから。どんなエンディングが用意されているのか?

で、エンディングを観た僕の感想は・・・
「えぇっ・・・ こういうのアリ・・・? えっ! これで終わり?」
もっとよい終わり方なかったのかなぁ〜? と思いました。

表面的なところだけ観ていると、エロくてグロい食べ物版「トイ・ストーリー」みたいな映画でしたが、その裏に描かれていることは、意外とまじめな話でした。