子供にも安心して見せられる映画「SUPER 8(スーパーエイト)」

「SUPER 8」を観ました。
J.J.エイブラムス監督、スティーブン・スピルバーグ製作の話題作です。

SUPER 8(スーパーエイト)

前評判から「E.T.」と「グーニーズ」を掛け合わせたみたいな感じのハートウォーミングな感動作を勝手にイメージしていたのですが、実際に観てみた印象はちょっと違いました。

今回、まったくネタバレせずに書こうとすると、何も書けなくなってしまいますので、ある程度どんな映画かわかってもいい人向けに書きます。
だから、まったく何も知らない白紙の状態で映画を観たいと思っている人は読まないでください。

「SUPER 8」は「E.T.」か?

もう誰でも知っていると思うのですが、異星人の話です。映画の舞台が1979年なので、1982年に公開された「E.T.」より時代設定は古いけど、今風に描いた2011年版「E.T.」を期待していたのですが、「E.T.」というよりも「未知との遭遇」に近いような気がします。
はっきり言ってしまうと、「E.T.」と違って、異星人との交流がほとんどありません。だから異星人と人間との間に生まれた友情では感動できません。

では「グーニーズ」に近いのか? と言われると、「グーニーズ」ほどそれぞれのキャラクターが立っているように思えませんでした。
ただ、ヒロインのアリス・デイナード役のエル・ファニングはかわいかったです。

僕が一番イメージが近いと感じたのは「クローバーフィールド/HAKAISHA」です。
「クローバーフィールド/HAKAISHA」はJ.J.エイブラムス製作の映画なので、当然といえば当然なのですが、あの暗さや怖さなど同じ空気を感じたのです。

「SUPER 8」で感動!?

シンプルでわかりやすいストーリーだし、登場人物にはいい人が多いし、なにより主人公のジョー・ラムが映画を通してたくましく成長していくのが観ている誰にでもわかるので、子供にも安心して見せられる映画だと思います。

ただ、思っていたほど感動はしませんでした。
それは登場する異星人がほとんどコミュニケーションをとることができず、主人公のジョーとも交流することができなかったからではないかと思います。

主人公と仲間との友情は? と言われると、それもビミョー。みんないい奴だし、仲もいい。むしろ、最初ちょっとイヤな奴がいた方がよかったのではないかと思うくらいです。
主人公のライバルか、チャールズがもう少しジャイアン的キャラでもよかったかもしれません。それが今回の事件をきっかけに友情が芽生えるみたいな話だと、感動できたのではないかと思います。

「SUPER 8」のここをこうして欲しかった

また、謎のまま終わったことがいくつかあることと、もう少し欲を言えば、伏線をもっと貼って欲しかったことが心残りでもあります。

例えば、アリスの父、ルイスはどうしてあのようなキャラクターになったのか、過去にどのようなことをして周りからあのような扱いをされるようになったのか、そしてジョーの母親とルイスの関係は?

こういう細かい「なんで?」が映画を観ているうちに解き明かされるのかと思って観ていたのですが、結局そのままで、最後は「え? これで終わり?」と思ってしまいました。

伏線好きなので、もっと伏線を用意しておいて欲しかったです。例えば、異星人との会話や対決で何か起こすとか。
また、主人公の仲間の活躍するところが少ないのも物足りなく感じました。一人一人の特徴を出して、それを活かせるところがあってもよかったのではないかと思います。

期待しすぎると「もうちょっと・・・」と思ってしまうかもしれませんが、誰でも安心して観られる映画だと思います。

スタッフロールでお楽しみがあるので、ちゃんと最後まで観て帰りましょう。