動画を扱うことになったら「ウェブ動画力 ROIを最大化する動画マーケティングの実践的ノウハウ96」

「ウェブ動画力 ROIを最大化する動画マーケティングの実践的ノウハウ96」(森中 亮、株式会社サスフォー)を読みました。

ウェブ動画力 ROIを最大化する動画マーケティングの実践的ノウハウ96(森中 亮、株式会社サスフォー)

なぜ今頃このような本を読んだのか?

それは、昨年から、職場で動画、動画と言われるようになり、急に動画がホットなキーワードになってきました。
しかし、方向性やその内容などが自分のイメージしているものと異なり、疑問を感じることも少なくありませんでした。
これは初心にかえって、動画について勉強しなおさなくてはと思い、読んだわけですが、いきなり答えが見つかりました。

「ウチはプロの映像クリエイターに制作を依頼しているから問題ありません」という方は再考を要します。もちろん映像のクオリティーについては問題ないでしょう。しかし、そのウェブ動画が見てもらうだけでいいものではなく、他に目的があるのであれば、焦点は映像のクオリティーだけではありません。

ウェブ動画は掲げられた目標達成をフォローするためのツールです。そのとき大事になるのは、視聴者の足を止めてしっかり見てもらえるかどうか、そして最終的に視聴者の背中をポーンと押す力があるかどうかです。

ウェブ動画には文字と写真の情報だけでは持ち得なかった時間という奥行きが存在します。この時間を有効に使うことで成約率を高めることができるのです。

映像のクオリティーはどうでもいい。
そう書かれているわけではありません。もちろん、映像のクオリティーは高い方がよいのです。しかし、本質は表面的なことではなく、内容の方が重要だということです。
動画の目的は何か? そしてどこで、どのようにして使うのか? これらを明確にせず、ただ映像クオリティーだけ求めて制作しても、その動画は活かされないでしょう。

さて、本の内容ですが、クライアントから「ホームページに動画を載せたい」と言われた時、ヒアリングして、どのようなツールでどのような方法で公開すればよいか、ある程度イメージできる人であれば、前半は読むべきことはほとんどないと思います。
動画の種類やYouTubeやUSTREAMなどの紹介など、本当に初心者向けです。

各サービスについての詳しい説明はよいのですが、アカウントの取得方法など、一つ一つ画面をキャプチャーしての説明は必要なのか? と感じました。
というのは、これらのWebサービスはインターフェイスも頻繁に変わることが珍しくありません。
初心者向けにかなり丁寧に説明していますが、実際に本を見ながら操作しようと思った時、すでに本に載っている画面と、パソコンの画面が違っていれば、その説明は用をなさなくなってしまいます。
多少画面が違っていても問題がないでしょ? ってことなら、最初から画面のキャプチャーなど必要ないでしょうし。

このシリーズは今までに「ウェブ営業力 御社の営業力が躍進する75の処方箋」や「ウェブPR力 マスコミに頼らないPRとマーケティングの新ルール70」を読みましたが、どちらも結構参考になりました。
その点では、この「ウェブ動画力」も、誰にでもわかりやすく整理して書かれていますので、提案したり説明する時の参考になるのではないかと思いました。

YouTubeなどアーカイブタイプの動画について、こう書かれています。
視聴者は最初の10秒で自分の探していた動画であるかどうかを照合し、違ったら即離脱する。さらに、30秒までで内容を判定し、見続ける価値がないと判断したらそこで離脱する。
だから、最初の30秒は動画の要点を視聴者に伝える時間に使う。そうすると、そこまで見て離脱したユーザーは元々見込み客ではなかったとあきらめがつく。肝心なのは離脱しなかった残りのユーザー、有力な見込み客として、じっくりと制約につながる深い情報を提供する。多少尺が長くても、求めている情報であれば簡単には離脱しない。
こんなノウハウがいっぱい載っていますので、動画を扱うことになったら、読んで損はないでしょう。