自分を振り返るために「あなたが部下から求められているシリアスな50のこと」

あなたが部下から求められているシリアスな50のこと」(濱田 秀彦)を読んだ。

あなたが部下から求められているシリアスな50のこと(濱田 秀彦)

ここでは読んだ本すべてを紹介しているわけではない。

中には紹介するのが恥ずかしい本などもある。
こんな風に書くと、すぐに「エロい本か?」とよく言われるのだが、そんなものは恥ずかしくもなんともない。

すでに「3000人斬り美女の昇天セックス作法」や「私の奴隷になりなさい」「ご主人様と呼ばせてください」などを載せているので、今さらそんなことで躊躇うことはない。

本当に恥ずかしいのはこういう本だ。

また恥ずかしくはないけど、載せにくい本などもある。
例えば、これ。

もし部下がこの本を読んでいることを知ったら、「バカ部下ってオレのことかよ!」と思ってしまう。

どちらも実際に読んでいないので、どんな内容か知らないが、とにかく紹介しにくい本もあるのだ。

タイトルにやられた

今回読んだ「あなたが部下から求められているシリアスな50のこと」も載せるか載せないか迷ったが、「こういう上司になれ」「こういう上司がいい上司だ」ではなく「こういう上司が求められている」というスタイルだったので、紹介することにした。

どっちでもたいして変わらないじゃないか。と思われるかもしれないけど、これは意外と重要で、この差は大きいのである。
まず、読んでいる時の気分が違う。

「ブレない姿勢を示す」という結果は同じでも、「ブレない上司になれ」「ブレない上司がいい上司だ」と書かれていると、「うるせぇ!自分の好きなやり方でやらせてもらうぜ!」と思ってしまいがちだが、「部下はブレない上司を求めています」と書かれていると、「スミマセン。がんばります」と思ってしまうものなのだ。自分の場合は。

そういう意味で、この本は「あなたが部下から求められているシリアスな50のこと」というタイトルにまずやられた。

人間力、仕事力、職場力、育成力

内容は、1万人の若手社員に聞いた意見をもとに、「人間力」「仕事力」「職場力」「育成力」という4つのカテゴリーにわけて紹介されている。

いくつか見出しを載せてみると・・・

人生の先輩として尊敬される「人間力」
ひとりの人間として尊敬できる人であってほしい

  • 上に強い人でいてほしい
  • 気分の善し悪しを仕事に持ち込まないでほしい
  • 「オレに任せろ」と言ってほしい
  • 顔が広い人でいてほしい
  • 「責任はオレが取る」と言ってほしい

マネジャーとして仕切り、プロとして実行する「仕事力」
マネジャー、プレイヤーとしてデキる人であってほしい

  • ビジョンを示してほしい
  • 妥当な目標を設定してほしい
  • 納期の前に急かさないでほしい
  • 他部署とうまく交渉してほしい
  • 部下の業務の専門知識を持ってほしい

メンバーが働きやすい環境を整える「職場力」
働きやすい職場を作ってほしい

  • じっくり話を聞いてほしい
  • しつこく報連相を求めないでほしい
  • 忙しい理由を知らせてほしい
  • 頑張りを上にアピールしてほしい
  • ルールを破る者をきちんと注意してほしい

部下をやる気にさせ、次のステージへといざなう「育成力」
伸ばしてほしい、育ててほしい

  • 叱ってほしい
  • 信用して任せてほしい
  • 仕事全体を見て評価してほしい
  • 計画的に指導してほしい
  • チャンスを与えてほしい

このように50のテーマについて、問題点と解決策が載っているのだが、自分ができていないテーマは読んでいて、本当に耳が痛い。
読んでいて気づいたのだが、自分の場合、「人間力」が著しく劣っている。いや、ほんどないに近いことがわかった。

ちなみに「人間力」とは「部下は上司に人間的に優れていることを求めます。『中身も外見も格好いい上司でいてほしい』という声が数多くの部下から聞こえてきます。本書に出てくる理想の上司像は、強くて大きい、余裕を持った存在。つまり職場のゴッドファーザーのようなものです」らしい。

ゴ、ゴ、ゴッドファーザーのようなもの・・・
キャラが違い過ぎる・・・

気になったところ

読んでいてきになったところがいくつかあった。

No.06 「オレに任せろ」と言ってほしい

「任せろ」と言わない人は、そもそも自分のボキャブラリーにそのセリフがありません。本来「任せろ」と言ってもよさそうな場面でも、「それはこっちでやっておく」というような言い方をします。言われたほうとしては「任せろ」だと頼もしく、「それはこっちでやっておく」だと事務的な感じがするもの。ずいぶんと受け取り方が違います。

「それはこっちでやっておく」だと事務的な感じがする?
マジで?

「キミに任せた!」と言うことはあっても「オレに任せろ」なんて言ったことない。

そもそも「オレに任せろ」なんて、映画や小説の主人公しか言わないセリフだと思っていた。

脇役クラスが「オレに任せろ」と言った場合、即死亡につながる。
「ここはオレに任せて、お前たちは先に行け!」
で、死亡・・・ってパターンだ。

簡単なようでいて、これ難易度高いな。

No.17 指示は具体的にしてほしい

余談ですが、部下は指示の際に「言ってることわかる?」と言われるのをイヤがります。このように言われると、「上からモノを言われている」「バカにされている」と感じ、気分が悪くなるそうです。上司は確認のために言っているだけで、悪気はないのでしょう。ただ、部下はこのようによからぬニュアンスを感じてしまいます。「ここまでのところで、質問ある?」などのように、他の言葉に言い換えたほうがよいでしょう。

ここまで気を遣わないとあかんのか?
めんどくせ〜な。

と思ってしまうのがいけないんですね、ハイ。
気をつけます。

No.11 オシャレでいてほしい。

「いきなりやりすぎると、部下はドン引きするので、やりすぎないように」というのはいいが、具体的な話になると、「(クールビズでは)ネクタイを外しても格好がつくようなシャツにしてはどうでしょうか。また、スーツを買い足す時には最近の細身のスーツにしてもよいでしょう」って、ちょっとアドバイスがテキトーすぎないか?

No.35 フェイスブックに「友達申請」しない

今さら「近づき過ぎると『ソーシャルハラスメント』略して『ソーハラ』になる」とか言われても遅いよ。
すでに「友達」になってしまってるし・・・

最後に

特別新しいことが書かれているわけでもないし、今まで読んだことがあるような内容とたいして変わりもないかもしれないけど、上手い書き方でサラッと読まされてしまった。

1年に1回くらい自分を振り返るために読むのがいいかもしれない。