もう、仕事だけの人生とは決別しよう「遊ぶ奴ほどよくデキる!」
「遊ぶ奴ほどよくデキる!」(大前 研一)を読んだ。
要は、オフタイムを充実させよう。そして充実したオフタイムを過ごすことによって、オンタイムもより充実させて、人生を楽しもう。そんな話だ。
いろんなオフタイムの過ごし方を提案されるので、一つや二つ、興味のあることが書かれているだろう。
ただ、いつのバブルの話だ? と感じることも出てくる。
なんせ、いきなり年間100万円くらいはなんとかやりくりできるだろう。という話から始まるが、実現できない人も多いだろう。
そして、格安のクルーザーを持とう。高いイメージだが、新製品でも安いものは200万円台の前半から購入できる。そんな話になる。
う〜ん、金銭感覚が違うのかなぁ・・・
金銭面だけではない。年に一度は「5日以上」の連続休暇を取って、何もない場所でスケジュールに束縛されずに過ごすと、仕事で溜まったストレスをリセットし、ビジネスへの活力を生んでくれるのでオススメ。ということなのだが、毎年5日以上海外旅行できれば、そりゃストレスもリセットできるし、仕事のやる気もでるけど・・・ なかなかそういうわけにいかない。
この考え方を変えていかなきゃいけないってことなんだろう。
考え方を変えるということでは、書斎を持とうという話でも、なかなか思いつかないような提案をされる。
父親が書斎を持つべきだが、住宅事情でなかなか難しい。そんな時は書斎を確保するために子供部屋を犠牲にすればよい。らしい。
子供部屋には必ずといっていいほど「学習机」があるが、これは日本にしかない。欧米の子供たちは、ダイニングテーブルや大人用の机、あるいはベッドの上などを使って勉強するので、子供専用の机などない。
私にいわせれば、学習机こそ歪んだ日本の家庭の象徴である。
学習机が歪んだ日本の家庭の象徴・・・
欧米には子供専用の机はないのか。では我が家でも・・・ そんな家庭はなかなかないのではないだろうか。
この「欧米では●●●●である」は、他にもいろいろ出てくる。
例えば、食事中はテレビを消して会話を楽しもう。欧米のホワイトカラーの家庭がそうだから。まぁ、このあたりはよいと思う。
「家庭の記念日」を楽しもうという話では、妻の誕生日に、適当な理由をつけて親戚や妻の友人などに妻を家の外に連れ出してもらい、その間に子供や親戚、友人たちと家の中に飾り付けをして、料理屋飲み物を準備して、電気を消して妻の帰りを待つ。そして帰宅した妻が部屋に入った瞬間、電気をつけ、みんなで「ハッピー・バースデー!」をいい、クラッカーを鳴らして、シャンパンを抜くらしい。
映画の話かと思った。欧米のよい習慣を日本に紹介して、取り入れていきたい。その気持ちはわかるが、これを日本でできる人ってなかなかいないのではないだろうか。そして妻側も喜ぶ人ばかりではないと思う。ちなみに大前研一のジャネット夫人はアメリカ人なので・・・
話は子育てにも及ぶ。過保護はよくないという話で。
2人の息子を、幼い頃から自然の中に放り込んできた。長期の休みには長野県蓼科の別荘に連れて行き、夏には河原で一緒に遊び、小高い山にともに登り、私は成人用、彼らは子供用のオフロードバイクにまたがってデコボコの山道を駆けた。冬には3人でスノーモービルに乗って新雪の上を走り回った。
別荘・・・ 子供用のオフロードバイク・・・ スノーモービル・・・ そりゃ、よい子に育つだろう。正直、連れて行って欲しいくらいだ。
ネタにするため、このような例ばかり挙げたが、もちろん誰でも実現できるような現実的な話も書かれている。
最後に、老後に備えて趣味を持とう話では、一生付き合える趣味を選ぶ"3つの鉄則"が書かれている。
鉄則(1)40歳を過ぎたら、定年後に続けられる趣味を持とう
鉄則(2)さまざまな年代の仲間と一緒に楽しもう
鉄則(3)発表の機会がある趣味を選ぼう
このあたりはとても参考になった。
これからは、もうちょっとオフタイムも楽しみたいと思った。
仕事ばかりの生活を送っている人には、ぜひ読んでもらいたい。