やっぱりそうきたか...「神様の裏の顔」

第34回横溝正史ミステリ大賞受賞作「神様の裏の顔」(藤崎 翔)を読んだ。

坪井誠造はかつて中学校の教師で、「教育の神様」とも呼ばれていた。中学校の校長まで勤めたあと、定年退職退職後はアパートの大家をしているかたわら、NPOに参加して貧困家庭の子や不登校の個などを支援していたが、心不全で亡くなった。享年68歳であった。

その坪井誠造のお通夜での話。集まった元同僚、教え子、アパートの店子、ご近所さんが坪井誠造の思い出話をするうち、神様と呼ばれた坪井誠造の裏の顔に気づいていく。

坪井誠造は神様なんかじゃなく、本当は悪い人間だったのではないか?

神様の裏の顔(藤崎 翔)

読んだ人を驚かす仕掛けが仕組んであり、二転三転するのだが、いずれも先の展開が予想できてしまった。だから何かが起こっても想定内で、「やっぱりそうきたか...」と感じてしまった。ここを楽しめていれば、もっと高い評価になったかもしれない。

二転三転しなくてもいい。一転でよいので、もう少し柱となる部分、芯の部分が面白かったらよかったと思った。また、最後のオチも「おぉっ!」と驚くよりも「えぇ〜・・・」とガッカリしてしまった。

インターネットでは高く評価している人が多かったので、もうちょっと楽しめるかと思っていたので、ちょっと残念だった。