難しいこと抜きで、映画を観るように楽しめる「キャプテンサンダーボルト」

阿部 和重と伊坂 幸太郎の合作「キャプテンサンダーボルト」を読んだ。

読んでみても、どっちがどの部分を書いたのか、わからなかった。そもそも、小説の合作って、どうやって書くのか、どう担当を分けているのか、気になる。

キャプテンサンダーボルト(阿部 和重/伊坂 幸太郎)

あらすじはこちら。

人生に大逆転はあるのか?

小学生のとき、同じ野球チームだった二人の男。
二十代後半で再会し、一攫千金のチャンスにめぐり合った彼らは、それぞれの人生を賭けて、世界を揺るがす危険な謎に迫っていく。

東京大空襲の夜、東北の蔵王に墜落したB29と、公開中止になった幻の映画。そして、迫りくる冷酷非情な破壊者。
すべての謎に答えが出たとき、動き始めたものとは――

現代を代表する人気作家ふたりが、自らの持てる着想、技術をすべて詰め込んだエンターテイメント大作。

Amazon.co.jp: キャプテンサンダーボルト: 阿部 和重, 伊坂 幸太郎: 本」より

読んでも、どんな話かサッパリわからない。でも、そんなことは気にしなくてもよい。

難しいこと抜きで、まるで2時間弱の映画を観るように楽しめる。それも小難しいゲージュツ作品なんかではない。直球ど真ん中ストライクのエンターテインメント作品だ。

こんなこと実際に起こったら...みたいな無粋なことは言ってはいけない。
読み終わってから後々まで考えさせられたりしない。パタンと本を閉じて「おもしろかった!」と思えれば、それでよい。

そんな話だ。
難しいこと考えずに、楽しめる本ないかな? と思った時、手に取って欲しい。

一つだけ気になったのは、人が簡単に死ぬところだ。

アクション映画を観ていて、マシンガンをぶっ放す。バタバタと人が倒れていくシーンがある。あれを観ていて、「あぁっ! 人が死んだ!」と感じることはない。

同じように、脇役が殺されたりするのだが、「えっ! 殺された・・・」と驚いてしまった。話はどんどん進んで行くのだが、その前にさっき殺された人のことが気になってしまうのだ。

これが映画を観るのと、文字で読むことの違いだろうか?
よくわからないが、気になってしまった。

本当はそんなこと気にするような話ではないんだと思うのだが・・・