イヤな気分に浸りたい時に「ゴーン・ガール」真綿で首を絞めるようにジワジワと...

世の中で、僕が信用できないと思うのは「ウソをつく人」だ。言ってることが本当かどうかわからないので、信用できなくて当たり前だ。だから僕は「ウソをつく人」がキライだ。

3ヵ月ほど前に公開された映画「ゴーン・ガール」。気になっていたのだが、気づいたら終わっていたので、原作の小説「ゴーン・ガール」(ギリアン フリン/中谷 友紀子)を読んだ。

ゴーン・ガール(ギリアン フリン/中谷 友紀子)

ネタバレはしないので、小説を未読の人も、映画を観ていない人も、安心して読んで欲しい。

あらすじはシンプルだ。

ニックは三十四歳、ニューヨークで雑誌のライターをしていたが、電子書籍の隆盛で仕事を失い、二年前、妻エイミーとともに故郷ミズーリに帰ってきた。しかし都会育ちの妻にとってその田舎暮らしは退屈きわまるものだった。結婚五周年の記念日、エイミーが、突然、謎の失踪を遂げる。家には争った形跡があり、確かなアリバイのない夫ニックに嫌疑がかけられる。夫が語る結婚生活と交互に挿入される妻の日記。異なるふたつの物語が重なるとき衝撃の真実が浮かび上がる。大胆な仕掛けと予想外の展開、「NYタイムズ」で第一位に輝いた話題のミステリ登場。

Amazon.co.jp: ゴーン・ガール 上 (小学館文庫): ギリアン フリン, Gillian Flynn, 中谷 友紀子: 本」より

1/4も読まないうちに、あらすじには載っていないような話がでてくるので、ネタバレしないようにすると、つっこんだ話はできない。オブラートに包んで話さなければいけないので、モヤモヤした話になってしまうのが困ったところだが。

最初はニックに感情移入して読んでいた。信用していたのだ。しかし、この男に見事に裏切られる。伏線はあったのだが、信用していたのでやられてしまった。

一度、そういうことがあると、読んでいて不振なことがあると、また隠し事でもしてるんじゃないか? と疑ってしまう。

騙しあい、ウソのつきあい。なんなんだ、こいつらは?

読んでいると、誰も好きになれなくて、誰にも感情移入できず、誰の見方にもなれなくなってしまった。

話の先が気になって、途中退屈することもなく一気に読んでしまったが、正直、あまり楽しい気分とは言えなかった。むしろジワジワとイヤな気分に浸ることができる。

そんなわけで、この本をオススメするとしたら、結婚してしばらく経った人、ちょっと倦怠期気味の人か?
より共感できるかもしれない。

映画は違った展開になるのか、気になった。