「情報の『捨て方』 知的生産、私の方法」読んでみてわかった。この本こそ...

毎日、インターネットやスマホから消費しきれないほどたくさんの情報が入ってきます。
「どうやってこれらの中から必要な情報、不要な情報を取捨選択すればいいのだろうか?」
多くの人が気になっているのではないかと思います。

最初に書いてしまうと、かなりガッカリな内容でしたが、「情報の『捨て方』 知的生産、私の方法」(成毛 眞)を読みました。

情報の「捨て方」 知的生産、私の方法(成毛 眞)

Amazonでこの本を見つけました。

新聞を読むな。BSテレビを観ろ。メモは「太赤マジック」で取れ。SNS上のバカは即刻「ブロックしてよし」―人生もビジネスも、どう"情報を捨てるか"で質が決まる。「良い情報を探す」前に、疑い、見極め、そうして活かせ。人、街、テレビ、ネット、スマホ...本当の知的生産をするための、「情報活用」以前の教科書。

Amazon.co.jp| 情報の「捨て方」 知的生産、私の方法 (角川新書)| 成毛 眞| KADOKAWA/角川書店| 本| 仕事術・整理法」より

これだけ読むと、おもしろそうなんですけど・・・

まずは、何を「不要な情報」と考えるかということですが、ここでおもしろいと思ったのは、「自分から遠いところにある情報(また、自分に関係なさそうな情報)」ではなく、「自分に害を与える情報」です。「害を与える」とは、あまり考えたことがありませんでした。

「遠いところにある情報」は知っていても損はせず、むしろ役立つこともありますが、「害を与える情報」は、知っていて得をしないどころか、知ってしまったことを後悔するし、害を与える情報を好む人たちを引き寄せることにもつながって、まさに「百害あって一利なしの情報」だそうです。

情報とは「判断を下したり行動を起こしたりするために必要な、種々の媒体を介しての知識」です。
もし、みんなと同じ情報しか得られていなければ、みんなと同じ判断を下したり行動を起こしたりすることになります。
一方、他人と違うことのできる人が、高額の報酬を得ることができます。

高い収入を得るためには、どこで周囲と差を付けていくか?
若い人ならプロスポーツ選手を目指すなどの選択肢もありますが、社会人なら頭の中身しかありません。

ここでいいう頭の中身とは、頭の良さ、学生時代の答案作成能力のことではなく、もっと本質的な、何が大事で何が大事でないかを見極める力のことです。
こういった力を身に付けるには質の高い情報が必要で、良い情報を入手し、咀嚼し、アウトプットする必要があるという話になります。

このあたりまでは、真新しい話もないけど「なるほどね」と思いながら読んでいました。

私はベストセラー本は読みません

「私はベストセラー本は読みません」など読んでいると、「ん〜。そういう考え方もあるのかぁ?」と、いろいろ疑問を感じるようになってきました。

大衆が読んでいるような本を読んでいたら、大衆の中に埋もれてしまう。だから、周りと差を付けたければ、周りが読んでいない本を読まなくてはいけない。という話なのですが、誰もが読んでいるベストセラーは知っていて当たり前の情報なので、読んでおいた方がよいのではないかと思いました。つまり、ベストセラー本と、あまり読まれていないような本、どちらも読む方がよいと。

では、どんな本を読むかということになりますが、周りが「自分には関係ない」とスルーしている情報こそ、貪欲に求めていくことが重要なのだそうです。例えば、国内のオフィスでデスクワークに従事している人なら、アフリカ経済や永久凍土の溶解についてなど、逆に、海外出張の多いビジネスマンなら、歌舞伎や能など、日本文化のディープなものがいいのではないかと。

う〜ん、アフリカ経済や永久凍土の溶解についてか・・・ そんな本読んだことないなぁ・・・ と思って読んでいると、読まない方がよい情報について、こんなことが書かれていました。

それは「自分からアウトプットしたいとは思わないような情報」だそうです。文章に書いたり、人に話したりしたくならない情報を仕入れ、さらに深掘りすることは時間の無駄でしかないので、自分で「出さない」(出す予定のない)情報は、最初から「入れない」そうです。

ん? それ、アフリカ経済や永久凍土の溶解・・・

間違った情報

こんなこと本で紹介しなくても・・・みたいな情報もありました。

例えば、間違った情報を見分ける方法について書かれていたのですが、よくある「○○は体にいい」「××は危険だ」といった情報。これらを鵜呑みにしてしまってはいけない。もし「○○は体にいい」と聞いたら、「○○ 体に悪い」というキーワードで検索する、「××は危険だ」と聞いたら「×× 安全」で検索する、最低でもこれくらいのことはしなくてはいけないと。

また、SNSでは、そういった情報を遠ざけるために、ブロック機能を有効活用すればよいそうで、「この人は、ウソ情報を私のタイムラインに掲載するな」と思った人は、即刻ブロックするそうです。

どちらも間違ったこと書いていないです。でも、こんなこと本で紹介するほどの情報かと思ったのですが・・・ 僕がおかしいのかなぁ?

本を選ぶプロセス

面白い本に当たる確率を高くするための「本を選ぶプロセス」にも驚かされました。
ステップ1が「つまらない本を排除する」なのですが、「著者と出版社で読まない本を決める」だそうで、これで3割程度のノンフィクションが読む候補から消えるそうです・・・

そして、ステップ2が「面白い本を選び出す」で、「装丁とタイトルで選ぶ」だそうです。装丁が素晴らしく、タイトルに力のある本は例外なく面白い本だそうです。
「例外なく」は僕が書いたのではなく、本文に

装丁が素晴らしく、タイトルに力のある本は例外なく面白い本です。

と書いてありました。

そして、この2ステップで、読まなくていい本が自分の周囲から消えるそうです。
んな、アホな・・・

メモ法も、他では聞いたことがないような方法で、驚かされました。

成毛流「太赤マジック+裏紙ノート」メモ法

成毛流「太赤マジック+裏紙ノート」メモ法というもので、用意するものは赤いマジックペンと、雑誌の裏表紙や何かが印刷されたコピー用紙の2つ。普通のメモ帳やノートではなく、わざわざ文字やイラスト、写真が印刷された紙を使うそうです。

そこに忘れてはならないことの要点のみをメモするのですが、その際、周りに「☆」や「◎」などの記号を書き添えるそうです。
例えば、「今日17時までに山田さんに、スケジュールの変更の依頼をする」をメモする時は「◎ 山田さん 〜17時 ◎」みたいな感じで。

ここまでは、コピー用紙がちょっと気になったけど、成毛流って言うほど特別珍しくもないやり方のように感じました。
えっ? と思ったのはここからです。

成毛氏は頻繁にメモをした場所を忘れるそうです。メモをした場所を忘れるということは、メモした内容を忘れるということです。そうなった時、メモした内容そのものではなく、どんな紙に書いたかを思い出すようにするそうです。どんな写真があったか、どんなイラストがあったか、そして自分でどんな記号を書いたか。

そうやって、「白い車の写真があったな」とか「星を2つ並べて書いたな」などと、本当に思い出したいことの周辺をビジュアルとして思い出すことで、連想ゲームのように「あっ、そうだ、山田さんに17時までに連絡だ!」と思い出すのだそうです。

いや、頻繁にメモをした場所を忘れるなら、ノートか手帳など、メモをする場所を決めて持ち歩けばええがな! と思ってしまったのですが、最後にこう書かれていました。

白い紙に文字だけでメモをしていては、絶対にできない思い出し方です。

不要な情報に時間を使いたくないとか、さんざん書いておいて、この効率の悪いメモ法は何?

最後に

成毛眞の本を読んだのは、これが初めてです。だから、他の本のことは知りません。ただ、この本だけで言うと、書くことがないのに、無理矢理書いたのかな? と思うような内容ばかりでした。

メモの話とか読んでいると、超アナログな人かと思いきや、スマホなどは最新のものを選ぶとか書いてあるし、よくわかりませんでした。

オススメのテレビ番組や雑誌、Webサイトなども載っていましたが、どれもいたって普通で、あまり参考になるようなものもありませでした。

この本こそ、自分にとって、不要な情報であり、排除するべきつまらない本に感じてしまいました。