「マッドマックス 怒りのデス・ロード」最高にMADで、最高に面白かった!
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を観てきました。
ストーリーはあってないようなもので、約2時間、全編がカーアクションの映画でした。
意味なく火を噴きまくり、壊しまくり、殺しまくる。それだけ。
じゃあ、最低の映画だったのか? と聞かれると、
その逆で、最高にMADで、最高に面白い映画でした。
観るまでは本当に心配でした。
「マッドマックス」シリーズはどれもおもしろく、好きだったので、あのクオリティの映画が作ることができるのか?
よくあるのが、「○○年ぶりの続編」「○○年ぶりにリメイク」みたいなパターンで、期待して観て「こんなのなら、作らなければよかったのに・・・」と、ガッカリさせられたことは一度ではありません。
主演がメル・ギブソンからトム・ハーディに変わったけど、どうよ?
監督はジョージ・ミラーのままだけど、もう70歳。大丈夫なのか?
気になっていたのですが、すべて杞憂に終わりました。
1作目の「マッドマックス」(Mad Max)が公開されたのは、1979年でした。
荒廃した近未来が舞台ですが、まだ現代と繋がっている、今の延長線上にある世界の話でした。
2作目の「マッドマックス2」(Mad Max2: The Road Warrior)が公開されたのは、2年後の1981年でした。
これは現代とはまったくかけ離れた、文明が崩壊し、モノのない、イヤな世界の話でした。しかし、ヒューマンガスやウェズといったインパクトのあるキャラクターや、改造された独特の車やバイクがカッコよくて、すっかりハマってしまいました。
3作目の「マッドマックス/サンダードーム」(Mad Max Beyond Thunderdome)が公開されたのは、4年後の1985年でした。
2作目の雰囲気に近いのですが、子供たちの世界はピンと来ないし、檻の中で決闘するサンダードームは、ちょっと行き過ぎたように感じました。
そして、30年ぶりの新作「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(Mad Max: Fury Road)です。
世界観や雰囲気はそのまんまで変わっていないように感じます。
ツッコもうと思えば「この人たち何を食って生活してるんだろ?」とか、「ガソリンはどこから持ってきてるんだろ?」とか、「婆さん、強すぎやろ?」とか、いくらでもツッコむことができます。
また「輸血袋って何?」とか、「銀の口臭スプレーは何?」とか、観ていて何かよくわからないけど、何の説明もないこともあります。
でも、そんなことはぜんぜん問題ないのです。
僕らが観たかったのは、「マッドマックス」らしい派手なカーアクションに、変なキャラクターです。
それがほぼ全編なのです。
ジョージ・ミラーは、観客が何を求めているのか、よくわかっていたのです。
「お前たちが観たいのは、これだろ?」
ジョージ! ジョージ! イモータン・ジョージ!
まさに、こんな感じです。
今時の映画なら、ほとんどCGで作ってしまうと思いますが、この映画はリアルなアクションをやってるのです。もう迫力が違います。映画観ていると、本当に目が釘付けになってしまいます。ポップコーンを食べるのも忘れて、夢中になってしまいました。
プロダクション・デザイナーのコリン・ギブソンのインタビューが載っていました。その中で、イモータン・ジョーの乗る車、ギガホースについて、こんなことが書かれていました。
-『マッドマックス』シリーズのアイコンといえばインターセプターじゃないんですか!?
コリン:もちろんオリジナル・シリーズに登場するインターセプター(フォード・ファルコンXB)も忘れてないよ。でも本作のアイコンはギガホースなんだ。ギガホースは1からつくらなければならなかった。だからシャーシフレームもカスタムメイドだったし、エンジンもV8を2台搭載してパワーを失わずに同時に駆動させないといけないということで特注のトランスミッションとギアボックスも作らなければならなかった。実質W16エンジンを1から作ったようなものだ。車体は1959年型のキャデラックデビルが2台重なっている。これは前々から使いたいと思っていた車種だった。アメリカ車で大きくてケバケバしい。後部にはクロームの?いテールフィンと赤いロケットランプが付いている。2台を上下に重ね合わせているのも象徴的なことなんだ。デザインに着手してから試乗できるようになるまでは10ヶ月もかかったよ。
「『マッドマックス』のイカれた改造車を創造した男に直撃!今回も撮影中に死者が出た? - ハードワーカーズ」より
あれらの車を実際に作っていることもスゴいと思いましたが、V8エンジンを2台搭載して、特注のトランスミッションとギアボックスを作って駆動させていたことを知って驚きました。中身は普通の車で、映画に映る外側のボディだけを改造すればよいのに、本当に設定通り作ってしまっているのです。
そのため、車内から外がなかなか見えなかったり、操縦しにくい車もあったようです。
いや〜、本当にこの映画はおもしろいです。また観に行こうかなぁ・・・