「後妻業」まだまだ発覚していない第二、第三の筧千佐子がいるのかも

「勁草」年寄りを騙してなけなしの金を奪う人間のクズに胸くそ悪くなった」で紹介しました黒川博行の「勁草」がおもしろかったので、今回は「後妻業」(黒川 博行)を読みました。

後妻業(黒川 博行)

「勁草」と同じくらい、おもしろかったのですが、「勁草」と同じくらい、胸くそ悪くなりました。

よくこれだけ不快にさせる人物を描けるものだと感心しました。
考え方、話し方、行動など、思い出すだけで、虫酸が走るようなヤツらが登場してきます。考えていることは、金、金、金で、私利私欲のために平気で他人を陥れて、金の奪い合いをしている姿を見ていると辟易しました。

プロの結婚詐欺師「後妻業」の婆ァ・小夜子に、資産家の老人はそれはもう言葉巧みに騙されてしまいます。そして、事故を装って殺されて、遺産を持っていかれてしまいます。

このタイミングで読んだ人の多くが経験するのではないかと思いますが、読んでいると頭の中で小夜子のイメージが筧千佐子に変換されてしまいました。

筧千佐子

現在の日本で、そんなに何人も殺していたら、警察にバレてしまうだろう? と思うのですが、読んでいると、抜け穴があることを知りました。実際に、筧千佐子も何人も殺しておきながら、長い間バレずにいたので、まだまだ発覚していない第二、第三の筧千佐子がいるのかもしれません。

しかし、80歳過ぎた爺さんが結構相談所に登録したりするものなのか?
ちょっとイメージできませんでした。

自分が歳をとった時は気をつけようと思いましたが、よく考えると取られるような資産もないので、下流老人(明日は我が身「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」)にならないように、気をつけた方がよさそうだと思いました。