「Aではない君と」読んでいて辛かった・・・

未成年者による殺人事件があった時「親にも責任がある」「親も謝罪しろ」そのように言われることがあります。

実際には、逮捕から拘留まで3日間、親は子供と会うこともできず、なぜ逮捕されたのかもわかりません。会って「本当に殺したのか?」「どうして?」聞きたいことは山ほどあるのに、何もわかりません。その間もマスコミにはコメントを求められ、ネットでは子供だけでなく、親の名前や写真、職場についても、次々と載せられていきます。

そんな時、自分ならどうするだろうか?

「Aではない君と」(薬丸 岳)のプルーフ本をいただきました。

Aではない君と(薬丸 岳)

読んでいて辛かったです。

大手建設会社に勤務する吉永の中学2年生の息子・翼が死体遺棄容疑で逮捕されます。
何事もないことが当たり前だった事件が起こる前には戻れないし、事件の核心に近づくにつれ、吉永は翼のことをわかっていないことに気づかされていきます。

自分なら、何ができるだろうか?
子供のために自分の生活をどこまで犠牲にできるだろうか?
そして、どうすれば更生したと言えるのだろうか?

Aではない君と(薬丸 岳)

何があっても人を殺してはいけません。だから加害者が悪いことはわかっています。
でも、この話は、誰が善い、誰が悪いといったシンプルな勧善懲悪の話ではありません。

読み終わった後も、いろいろと考えさせられました。

小説なので、もうちょっと救いがあってもいいのに・・・と思いましたが、現実はそんなものではないということなのでしょう。