死ねばいいのに

iPad を買ってやってみたかったことの一つに電子書籍があります。

読む前に結果を出したくはなかったのですが、自分では紙派だと思っています。
紙の本の方が読みやすいし、そもそも本が好きなのです。

そこに好きな京極夏彦が新刊を出すと聞いたので、迷わず買いました。

死ねばいいのに

「死ねばいいのに」(京極 夏彦)です。

でも京極夏彦が電子書籍とは意外でした。
文字組み、レイアウト、デザインにまでただならぬこだわりをみせる京極夏彦。京極夏彦の小説に文章がページをまたぐことはないし、一行だけでほとんど空白のページなんてないというのは、有名な話です。
だから見る人の環境でレイアウトが大きく変わる電子書籍を出すとは思えなかったのです。なんせiPadは縦横持ち替えるだけで改行位置も変わってしまうのですから。

読み終わってみて、その感想は・・・
重い。落としたら壊れるので神経使う。電車の中やスタバで使っているとジロジロ見られてリラックスして使いにくい。
やっぱり、紙の本の方が好きだなぁ・・・

死ねばいいのに

肝心の本の内容ですが、面白かったです。でも・・・
六つの章に分かれていて、それぞれ別々の主人公の一人称視点で描かれています。
彼らの目の前にワタライケンヤと名乗る若者が現れ、殺人事件で亡くなった亜佐美のことを聞かせてくれと言ってきます。
最初は詳しく知らないと答える彼らですが、刑事コロンボのようにのらりくらりと話しかけてくるワタライケンヤの相手をしているうちに、身に覚えがないわけではないということがわかってきます。
なんなんだ...
読んでいるうちに自分も主人公と同じような後ろめたい気持ちになってきました。
読み終わった後も、謎が残ってスッキリしませんでした。