書斎は欲しいけど、住宅事情で無理? それなら「書斎がいらないマジック整理術」

「書斎がいらないマジック整理術」(ボナ植木)を読みました。
著者のがボナ植木さんはご存じの方も多いと思いますが、コミックマジックの「ナポレオンズ」の「背の高いほう」「マジックをするほう」「眼鏡してるほう」のボナ植木さんです。

「書斎がいらないマジック整理術」(ボナ植木)

タイトルから想像できると思いますが、前回の「書斎が欲しい...と思ったら読んでみよう『仕事ができる人の勉強机の作り方』」と同じ書斎がテーマの本です。
でも、提案されていることはまったく真逆でした。

「仕事ができる人の勉強机の作り方」では「専用机は大切。まずは専用机を手に入れて、そこから書斎を手に入れよう」と書かれていました。
それがこの本では「本や机、パソコン、資料を一つの部屋においておく理由はない。家すべてが書斎なのです」と書かれています。

読んでいて感じたのは、お二人の考え方の違いは子どもの頃の環境が影響しているのではないかということです。

「仕事ができる人の勉強机の作り方」の西山昭彦さんは、子どもの勉強机、勉強部屋について、このように書かれています。

これまで講演時にのべ数千人の人に、「中学高校時代に専用机を持っていましたか」と聞くと、9割以上の人が持っていたという。これはまさに両親の愛情である。「人は勉強して成長できる。そのためには勉強机がいる」と親はわかっているので、子どもに与えている。
そして、家によっては子どもがある年代になると個室が与えられる。通称、勉強部屋というけれども、それはその人の個室であり、私の定義では書斎ということができる。

仕事ができる人の勉強机の作り方より

一方、「書斎がいらないマジック整理術」のボナ植木さんは、子どもの頃を振り返って、このように書かれています。

たしかに、子供のころには部屋もあり、机もありました。しかしどうでしょう。そこにどれほどいたでしょう。存在時間は何時間くらいだったのでしょう?
小学生のころには、テレビがあり、そして家族のいる居間にわざわざ宿題を持って行って、そこで勉強をしていたし、中学、高校になれば、実家が商売をしていたので、仕事の終わった夜、店のデスクを利用していました。大学生になれば、夜更かしをして家族が寝入ったあと、居間のコタツで勉強をしていました(もちろん冬)。むしろ部屋の机を使っていたのは、小学生から大きくなるまで、プラモデルをつくったり、ステレオ(古い!)を聴いていたりした時だけのような気がします。

書斎がいらないマジック整理術より

まさに「三つ子の魂百まで」で、子どもの頃の習慣が大人になっても影響しているのではないかと思いました。

リビングは欲望の塊だ。食べ物がある、テレビ、音楽など、エンターテイメント性が高い。家族との団欒や癒しがある。そこを逃れ、そこから距離を置き、自分と対峙する、自省する場が専用机であり、書斎だ。

仕事ができる人の勉強机の作り方より

西山昭彦さんはこのように、書斎が必要であると書かれています。
それに対して、ボナ植木さんは書斎が必要でないと書かれているわけではありません。
限られた空間を様々なアイデアで、書斎を持っているのと同じように集中して勉強する空間を作ろうとするのがこの本なのです。

「仕事ができる人の勉強机の作り方」が「勉強机が欲しい」「書斎が欲しい」と思っている方にオススメだとしたら、この「書斎がいらないマジック整理術」は「勉強机や書斎が欲しい。でも住宅事情で無理・・・」と思っている方にオススメです。