ドラマ「半沢直樹」を楽しんだら、原作「オレたち花のバブル組」を。もはや別モノだ。

前回の「やられたらやり返す。十倍返しだ! ドラマ「半沢直樹」は、原作「オレたちバブル入行組」よりイイ!」に続いて、今回もドラマ「半沢直樹」の原作「オレたち花のバブル組」(池井戸 潤)を読んだ。

オレたち花のバブル組(池井戸 潤)

前回、9月1日の放送で、関東地区の平均視聴率は30・0%、関西地区の平均は31・2%、瞬間最高視聴率は関東地区が34・5%、関西地区は35・9%と書いたが、ついに15日に放送された第9回の平均視聴率は、関東地区で35・9%、関西地区で36・7%、瞬間最高視聴率は関東地区で40・1%、関西地区では42・6%で、40%を超えたらしい。
スゴい、スゴすぎる。

ドラマもますますおもしろくなってきているが、原作もおもしろかった。
ただ、前作の「オレたちバブル入行組」と一緒で、根幹は原作とドラマは同じなのだが、枝、それも先の細い枝だけでなく、結構太い枝も原作からドラマはアレンジされていた。

重要な役の人物の性別が異なっていたり、他にもあれこれ・・・
また、詳しく描かれている部分なども異なる。
例えば、原作はよりリアルにするため、税理士とのやり取りや、書類の調査から発見にいたるまでなど、細かく描写されているが、ドラマではまるごとカットされて、「税理士から聞き出してきた」みたいなセリフだけになっていたりした。

それに対して、ドラマはよりドラマチックにするため、原作ではアッサリと書かれている疎開資料の家宅捜査(?)を生中継してハラハラさせたり、原作ではあっけなく終わった福山次長との対決も時間を掛けて盛り上がるシーンとなっていた。
どちらが良い悪いではなく、それぞれに適切な描かれ方をしていると思った。

ここだけはドラマの方がよかったと思ったのは、近藤について。
タミヤ電機に出向している近藤があるきっかけで、昔の自分を取り戻し、変わっていくのだが、原作は特にこれといったきっかけがあるわけでもなく、なんとなくで変わっていった。それに対して、ドラマはとても印象的だった。

逆に、原作派の人がドラマに足りないと感じるとしたら、派閥問題やバブル世代といったところかもしれない。 半沢直樹のいる東京中央銀行は、 東京第一銀行(旧T)と産業中央銀行(旧S)の合併行で、原作では濃く書かれている「旧S vs 旧T」という派閥問題やバブル世代ということが、ドラマではほとんど出ていない。
原作のタイトルが「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」となっているように、ここは著者が伝えたかったことの一つなのではないかと思った。

まだ22日の最終回が残っているので、このあたりフォローがあるかもしれないけど。
前回も書いたが、第1回を観ていないので「この人はあの時の・・・」みたいな第1回で貼られた伏線が回収されたらサッパリわからないと思うので、途中から観た人のためのフォローは忘れないで欲しいなぁ・・・