「夜更かし」型の生活を「早寝早起き」型の生活に変えてくれる2冊の本

「寝る前の30分」が自分を変える!」(和田 秀樹)と「「寝る前30分」を変えなさい」(高島 徹治)を読んだ。

「「寝る前の30分」が自分を変える! ―朝から気持ちよくスタートダッシュするための習慣」(和田 秀樹)と「「寝る前30分」を変えなさい」(高島 徹治)

なぜ、同じようなタイトルの本を2冊も読んだのか?
実は、最近眠りについて、悩みを抱えていた。

「眠り」に関する悩み

毎朝、5時半に起きている。7時に家を出て、8時半に職場に着く。9時から仕事が始まり、仕事が終わるのは、だいたい20時〜21時くらいになる。
家に帰ると、21時〜23時くらいだ。睡眠時間を5時間確保しようと思うと、0時半には寝なければならないので、自由に使える時間は長くて2時間ほど、多くの日は1時間前後になる。

実際に、23時くらいから本を読んだり、パソコンを開いたりするのだが、最近は30分も経たないうちに、いや、早ければ5分も経たないうちに寝てしまう。
で、朝5時頃、パソコンの前で目を覚ます。

疲れがぜんぜんとれず、しんどい。同じ6時間の睡眠でも、電気を消した部屋のベッドで寝るのと、電気を点けた部屋の床の上で寝るのでは、眠りの質がまったく違う。
しかも本はほとんど進まないし、パソコンは開いただけで何もできていない状態だ。

これだったら、あの時に寝ておけばよかった・・・
でも、何もせずに寝たら、自分はやりたいこともできず、何のために生きているというのだろう?
そんなことを考えてしまう。

しかし、こんな生活が数年続き、身体はもう限界だ。このままではいつか身体を壊してしまうかもしれない。そこで、なんとか生活を変えてみようと思って、この2冊を手にした。

似ているようで、似てない2冊

どちらも大筋では同じことを言っている。
「寝る前の30分」の習慣を変えて、早寝早起き型の生活パターンにしよう!
そうすれば、いろいろよくなるはず。ということだ。

しかし、目指すところや、アプローチの仕方、考え方などは異なる点も少なくない。
例えば、どうして早起きがよいかについての説明を見てみると・・・

高島徹治の「「寝る前30分」を変えなさい」では、「なぜ早起きすると気持ちがいいのか」について、「体内時計」と「外的な要因」にわけて書かれている。
そして、その「外的な要因」がこれ。

朝の時間帯は、夜に冷やされた地面や建物、木々などが太陽で温められ、朝露が生まれます。そして朝露が蒸発する過程で、大気中に大量のマイナスイオンが発生することになります。だから朝の空気は新鮮で、清々しく感じられるわけです。

ホンマでっか? という気がしないでもないけど、思わず「なるほど〜」と思ってしまう。

これに対して、和田秀樹の「「寝る前の30分」が自分を変える!」では、「朝は自分の考えが驚くほど積極的になります。しかも明晰になるのです。」と書かれ、その理由がこのように書かれている。

どうしてそうなるのか、理由はいくつか思い浮かびますが、なんといっても朝の時間は気力や活力がみなぎっていることがあげられるはずです。

なんかよくわからないけど、気力や活力がみなぎっているのか・・・
なるほど〜。

高島徹治の「「寝る前30分」を変えなさい」が「○○に関する実験が行われた結果、△△△をした人より、×××をした人の方がよい結果となった。だから、■■■をする時は×××をする方がよい」といった感じで、どこかで聞いたことがあるような調査の結果と一緒に提案しているのに対して、和田秀樹の「「寝る前の30分」が自分を変える!」では、根拠を示して説明するのではなく、感覚的なものが多いように感じた。

なんとなく、それぞれのイメージできた(?)ところで、印象に残ったことを紹介したい。

「寝る前の30分」が自分を変える!

最初に結論から言ってしまうと、この本の「休日をたっぷりと楽しむ気持ちよさに気づこう」を読んで、僕の悩みはほぼ解決してしまった。

「寝る前の30分」が自分を変える! ―朝から気持ちよくスタートダッシュするための習慣(和田 秀樹)

ここだけに840円払ってもいいと思ったくらいなので、そのままゴッソリ引用する。

平日の夜は仕事やつき合いで帰宅が遅くなります。
だから寝るまでの時間くらい、せめて自分の好きなことをして過ごしたくなります。
でも現実問題として、何をしようにも時間はかぎられているし、疲れや眠気もあります。
残業もつき合いもなく、早い時間に帰宅できた日はべつとして、夜の10時や11時から何か始めてもかえって中途半端な気持ちになってしまうでしょう。
それぐらいならむしろ、すべての楽しみは休日に取っておくことです。
かりに土日が休みの人なら、どちらかの一日を丸々、自分の趣味や楽しみにあてることは可能です。

ムリして平日に1、2時間余計に起きて、ウトウトしながら中途半端な時間を過ごすよりも、思い切って寝てしまって、疲れをためないようにして、土日に思いっきり好きなことをすればよかったのだ!

休日というのは、とにかく朝のスタートさえ早ければ思いがけないくらい行動半径も広くなるし、たくさんのことができるものなのです。
そのことに気がつけば、平日の夜への未練は消えます。

土日、ゆっくり起きて、ダラダラと過ごすよりも、朝早くに起きて、たっぷり一日使って楽しむ。
なんというステキな休日なのだろう。
もうスパッと未練は断ち切れた。

もうこれだけでも十分なのだが、もう一つ印象に残ったのが「寝る時間が遅くなると、日中の締切感覚もゆるんでしまう」に書かれていたこと。

たとえば1時に寝るのが当たり前になったひとは、帰宅は10時でもいいと考えます。
すると、終わらない仕事は8時までかかって仕上げ、それから飲んだり食べたりしても間に合うことになります。
仕事が夜の8時までに片づけばいいと、考えてしまったら、午前中は何もしなくてもいいことになります。昼から8時間の労働時間があるからです。

さすがに「午前中、何もしない」そんなわけにはいかないけど、8時に終わらせるつもりでいるのと、6時に終わらせるつもりでいるのでは、意識が変わってくると思う。
「眠り」とは直接関係ないけど、これからは6時に帰るつもりでがんばろうと思った。

「寝る前30分」を変えなさい

この本では、習慣の大切さについて書かれ、習慣を変えることによって人生も変えることができると書かれている。

「寝る前30分」を変えなさい(高島 徹治)

「効率化のカギは「習慣化」にあり」で、毎朝行う洗顔と歯磨きを例に挙げて習慣について書かれている。

毎朝、どうやって歯を磨こうかなどと考える人はいない。頭がボーッとしたままでも歯を磨き終えることができるはず。洗顔も同じで、毎朝、どうやって歯を磨こうか、顔を洗うにはどうしたらいいのだろうと考えているようでは時間がいくらあっても足りない。

習慣とは「余計なことを考える時間と労力」を排除するため、つまり日常からムダを省いていくためのツールなのです。
だから、成功者たちはたくさんの習慣をもっています。作業的な仕事はすべて習慣としてルーティンワーク化させ、そこで得られた時間をクリエイティブワークに注ぎ、余暇に充てています。
あなたにも、こうした「習慣による時間改革」が必要なのです。

そして「習慣が変われば人生の9割が変わる」では、このように書かれている。

習慣とは「考えずにできる」ことです。あれこれ意識せずとも、無意識のうちにやってしまうこと。それが習慣です。
ということは、習慣を変えることはわれわれの「無意識」に直接働きかけ、無意識をコントロールする最良の手立てなのです。

「時間をモノサシに努力を測るな」では、「定時に帰る人より、終電まで残業する人の方が仕事熱心だ」「8時まで残業した人より、10時まで残業した人の方が2時間もがんばった」と考える人について、「数字としての時間」を尺度とした発言で、時給で働いているアルバイトと同じ感覚だと書かれている。
また、何時に帰ろうと、何時まで残業しようと、最終的に"成果"を出した人間のみが評価されるべきだと。

日本人には「努力すればするほど偉い」という価値観や「たくさん時間をかけて勉強するほうが偉い」という価値観が強く根づいている。だから効率的な勉強法を「邪道だ」と考え、拒否反応を示す。
しかし、時間とは、努力を測るためのモノサシではない。努力を測るモノサシは「何キロ走ったか」や「どれくらいのスピードで走ったか」であって、「何時間グランドにいたか」ではない。
徹夜で勉強したから「がんばった」と考えるのは大間違い。問題集を10ページ解いたとき「がんばった」といえるのです。10ページ解くのに1時間かかろうと5時間かかろうと、まったく関係がない。

「なるほど」と思わされる。
ただ、ちょっと「眠り」の話から離れてきたような・・・

最後に・・・

「どちらも大筋では同じことを言っている」と書いたが、実は本のタイトルにもなってる「寝る前の30分」の過ごし方も結構違ったりする。

和田秀樹の「「寝る前の30分」が自分を変える!」では、テレビとパソコンについて、寝る30分前にはスイッチを切るように書かれている。
テレビとパソコンのスイッチさえ切れば、時間を引き延ばす最大の障害は取り除いたことになる。なぜなら、これでベッドや布団にいつでも入ることができるからだ。

また、酒についても、寝る30分前に終わるように書かれている。
酔ってバタンキューというのは幸せな眠り方かもしれないが、それをやっていると酒がなければ眠れない状態になってしまうし、寝る直前のアルコールは神経が昂ぶってしまうので、逆に睡眠の妨げになるらしい。

寝るまでの時間がだらだらと続いてしまう人の大部分は、いまあげた三つのこと、テレビ、パソコン、お酒がその原因になっている可能性は大きいのです。
思い当たることがあるようでしたら、とりあえず、その「単純な問題」から片づけてしまいましょう。

僕の場合、まさにパソコンが原因となっているので、これはよくわかる。

一方、高島徹治の「「寝る前30分」を変えなさい」では、「『寝る前30分』のインターネット活用術」で真逆の提案がされている。

「寝る前30分」の時間帯に海外のニュースサイトをチェックした人は、およそ半日分も情報戦でリードできるという。

和田秀樹の「「寝る前の30分」が自分を変える!」は、早寝早起型に生活を変えていくため、「寝る準備」のための30分間の過ごし方を提案している。

高島徹治の「「寝る前30分」を変えなさい」は、ただただ寝るのではなく、「効率よく寝る」ための30分間の過ごし方を提案している。

朝活に興味がある人などは、高島徹治の「「寝る前30分」を変えなさい」がよいのではないだろうか?
僕のように早寝早起型に生活を変えたい人などは、和田秀樹の「「寝る前の30分」が自分を変える!」がピッタリなのではないかと思った。

いままでいつも、立ち直るきっかけがつかめずに、ずるずると不調を引きずる傾向があった人は、夜の時間をあまりに惰性や習慣に任せてすごしてきたからなのです。
明日を楽しみに思える人は、目が覚めた瞬間に「さあ、朝だ」と張り切るでしょう。
夜をとりとめなくすごしてきた人は、目が覚めても「もう朝か」と思うだけです。
この違いがどれほど大きいか、おそらくだれでも想像できるでしょう。あなたが実現したい朝はどちらの朝なのか、その答えもすぐに出ると思います。
「寝る前の30分」に、「明日はいいことがあるぞ」と思える人が、ほんとうにいいことを実現するのです。

これは、和田秀樹の「寝る前の30分」が自分を変える!」に書かれていたのだが、まさに自分のために書かれたものかと思うほど、心に刺さった。

ちょっと耳が痛いけど・・・