良くも悪くも漫画的、アニメ的「All You Need Is Kill」
「All You Need Is Kill」(桜坂 洋)を読んだ。
2014年7月に公開されたトム・クルーズ主演の映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」の原作のはずだ。
原作のはずだが、映画を観ていないので、どれくらい原作に近いのかはわからない。ただ、これをそのまま映画にして、果たして大人が楽しめるような作品になったのか、とても気になった。
読み始めていきなりだった。
しみったれた航空支援でお茶を濁した司令部に。ファック!
クソみたいな作戦をたてた参謀本部に。ファック!
左翼への砲撃をケチった砲兵科に。ファック!
死んでしまったあの野郎に。ファック!
なんだ、これは?
これが良い悪いとは言わない。ただ、漫画やアニメを小説化したような話に感じた。
たとえば、これは頭から血が流れる時の表現だ。
激痛が顔の表面を走り抜けた。ぶっとい指が傷口をぐいと開く。ロックンロールのビートでなまあったかい液体が額からほとばしる。粘度をもった液体は、鼻の横を通り抜け、口の端をかすめてあごの先からしたたり落ちる。コンクリートに鮮血の華がぽつぽつと咲く。つん、と、鉄と同じ臭いがした。レイチェルが息を飲む音が聞こえた。
カッコいいと感じる人もいるだろう。逆にカッコ悪く感じる人もいるだろう。
たまたま運が悪かったのだろう。僕は後者だった。
ストーリーだけでない。登場人物も同じで、漫画的、アニメ的に感じた。
普段から漫画やアニメに馴染みのある人なら、もっと読みやすく、楽しめるのではないかと思った。
同じ日をループする話だが、その仕組みを知ってもピンとこず、解決方法を聞いても「なんでそうなるの?」といった感じで、最後まで読んでも「う〜〜〜ん・・・」と納得できなかった。
映画はもっとおもしろいのかなぁ・・・?