シンプルに動画を撮りたい人に「HC-V360M」YouTuberにもオススメのビデオカメラ

Panasonicのデジタルビデオカメラ「HC-V360M」を購入した。

このHC-V360M、2015年1月23日発売なので、まだ発売されてから1ヵ月半ほどしか経っていない新商品なのだが、すでに35,000円ほどで買うことができてしまう。

Panasonic「HC-V360M」の箱

ところが、インターネット、特にYouTubeなんかで探してみると、ほとんど情報が載っていない。実際にHC-V360Mで撮られた映像を観たかったのだが、見つけることができなかった。

なぜ、これほどまでに人気がないのか?

今、普通に家電店で買うことができるデジタルビデオカメラと言えば、一番上が「HC-X1000」になるのだろう。

4Kを60pで撮ることができるのだが、30万円ほどする。

「欲しいか?」と聞かれたら、もちろん迷わず「欲しい! くれ!」と答えるが、実際に「買うか?」と考えると、趣味で使うにはちょっと高いし、子供の運動会に持って行くも威圧感がありすぎる。

そうなると、上は「HC-W970M」あたりを狙うことになるのだろう。

30pだけど4Kでも撮れるので、数年後のことを考えるとアリだろう。価格も10万円ほどなので、十分選択肢に入ってくる。

10万円はちょっと・・・ まだ4Kはいらない、フルHDで十分という人には、7万円台で買うことができる「HC-W870M」が魅力的だ。

メインカメラの他にもう一つサブカメラがついていて、2画面を同時に撮ることができるワイプ撮りなんて楽しそうだ。メインカメラを被写体に向けて動かすと、サブカメラは狙った場所を撮ることできないだろう? と思っていたが、Wi-Fiでつないだスマホをサブカメラにすることもできる。スゴいな。

ワイプ撮りは楽しそうだけど、7万円かぁ・・・ という人には「HC-570M」がピッタリだ。

確かに、HDR動画や5.1chサラウンドがなかったり、レンズや高感度MOSセンサーがグレードダウンしている。でも、ズームはHC-W970M、HC-W870Mが光学20倍ズーム、iA50倍ズームなのに、HC-570Mは光学50倍ズーム、iA90倍ズームだ。運動会や学芸会など離れた場所から撮影する時、大活躍。

こんなに実用的なビデオカメラが5万円台で買えてしまう。いい時代になったものだ。

これだけのラインナップでも十分だと思うのだが、パナソニックのビデオカメラはもう一つある。

それが、この「HC-V360M」だ。

5軸ハイブリッド手ブレ補正や、傾き補正、光学50倍ズーム、iA90倍ズームなど、ビデオカメラに求められる基本的な機能は、上位機種と比べてそれほど遜色はない。

逆に省かれているのが、ワイプ撮りや、Wi-Fi機能など、あれば便利だけど、使わなければまったく必要にならない機能が多い。

つまり、シンプルにフツーに動画を撮りたいだけの人にはオススメの機種と言える。

細かいスペックなどは「HC-V360M 公式サイト」を見て欲しい。

それでは、実機を見て感じたことなど。

Panasonic「HC-V360M」

まず、大きさだが、カタログに載っているスペックは「幅53mm × 高さ59mm × 奥行121mm」だ。手にしてみると、思っていたより一回りくらい小さかったが、大きさよりも軽さに驚いた。

家電店に行くと、ビデオカメラの実機が置いてあるが、その中に混じってホンモノそっくりのモックアップも置いてある。中身のないボディだけのものだ。最初、HC-V360Mを手にした時「えっ? モックアップか?」と思ったほどだ。いや、むしろモックアップより軽いのではないかと思うくらい軽い。

カタログでは本体重量が213g、同梱バッテリーパックをあわせると256gだが、実際に量ってみると253gだった。身近で近い重さのものを探していろいろ量ってみたが、一番近かったのが文庫本の「シャドー81 」の268gだった。

やや分厚い500ページ弱の文庫本と同じくらいの重さと言えば、HC-V360Mの軽さがイメージできるだろうか?

長時間持っていて苦にならない重さだ。毎日カバンの中に入れっぱなしにすることもできるので、いつでもサッと取り出して気軽に撮る。そんな動画ライフも実現できる。また、これだけ軽いと、コンパクトデジカメ用の三脚や一脚はもちろん、耐荷重の範囲内ならセルフィー棒で自撮りなんかもできてしまう。

よいところばかりではなく、当然、残念なところもある。

軽さを実現するためこうなったのか、逆にこれが理由で軽いのか、どちらが先かわからないが、持った時の質感は非常にプラスチッキーだ。高級感の「こ」の字も感じない。手にした時の質感を楽しんだり、チビリチビリと酒を呑みながらウットリ眺めたり、愛でたりするようなビデオカメラではない。

他にも細かいいろんなところでコストダウンを行っているのだが、わかりやすいのは液晶モニターだろう。

Panasonic「HC-V360M」の液晶モニター

他の機種が3型(約46万ドット)なのに対して、HC-V360Mは2.7型(約23万ドット)になっている。

液晶モニターのまわりの黒い縁の部分が大きくて、なんとなくショボい感はあるが、タッチパネルは問題なく使えるし、撮影時の確認用モニターとして使うのであれば、実用面ではまったく問題ないと言ってよいだろう。

Panasonic「HC-V360M」のレンズカバー

もう一つ、レンズカバーが他の機種と異なる。レンズカバーは電源と連動していないため、手動でレバーを上下して開閉するのだが、他の機種は自動で開閉する。

ちょっと邪魔くさかったり、ショボいところもあるのだが、フツーに撮るだけなら十分満足できるビデオカメラではないだろうか? たいていの問題は「まぁ、35,000円なんだし・・・」で許してしまえるはずだ。

そんなわけで、こだわって選んだり、自慢するようなところもないシンプルな機種なので、あえてYouTubeで紹介する人もいないのだろう。

YouTubeでレビューするようなビデオカメラではない点はYouTuber向けではないが、安くて必要最低限の機能は備わっているので、実は撮影機材としてはYouTuber向けではないかと思った。

これからYouTubeを始めてみたい。揃えなければいけない機材が多いので、できるだけ安くビデオカメラが欲しい。そんな人にもピッタリなビデオカメラではないかと思う。

本当は実際に撮った映像を紹介したかったのだが、今回は明るい時間帯に撮る時間がなかった。とりあえず90倍ズームって、思っていたよりスゴくて、購入する理由になると思うので、夜にわかりやすい月を撮ってみた。

また休日の明るい時に何か撮ってアップしてみようと思う。

2015年3月15日 追記
明るい時に撮ってみた。
パナソニックのコスパ最強ビデオカメラ「HC-V360M」テスト撮影 その2
4分ほどの動画だが、良いところと悪いところがいくつか見えてくるのではないかと思う。