窒息注意!「ドント・ブリーズ」がとんでもなく怖く、とんでもなく面白かった。

怖い映画は苦手なのですが、評判になっているということで、ホラー・スリラー映画「ドント・ブリーズ」を観てきました。

今回もネタバレなしなので、ご安心ください。

ドント・ブリーズ

予告編の動画を観ると、ほぼ理解できるシンプルなストーリーです。

いかがでしょう?

めちゃくちゃ怖そうじゃないですか?
はい、めちゃくちゃ怖かったです。

泥棒をしている若者3人が目をつけたのが大金を持っているという老人の家。

「ドント・ブリーズ」老人の家に忍び込んだ泥棒3人組

老人は盲目なので、簡単な仕事だと思って忍び込んだのですが・・・

老人は元海兵隊員で、尋常じゃないほど強かったのです。

「ドント・ブリーズ」盲目老人は元海兵隊員

超人的な聴覚と嗅覚で、まるで目が見えているかのように動き、返り討ちにあいます。

ヤバい。逃げなければ殺される・・・

「ドント・ブリーズ」逃げなければ殺される・・・

この映画、特徴的なのが音です。ホラーと言えば、効果音でドキッとさせるイメージですが、むしろ無音に怖さを感じました。

息をしたり、動こうとして床がきしんだりすると、その音で居場所がわかってしまいます。だから、老人が近づいてきたら、息を潜めてじっとしています。

その間、映画館はシーーーーーンと、無音の状態になるのです。映画を観ている観客まで息を止めなくてもよいのに、本当にタイトル「Don't Breathe」通りで、息もできなくなるのです。

最近観た映画の中ではダントツで観客の多い映画で、僕が観た時はほぼ満員でした。その全員が物音一つ立てずに無音の状態で、身動きせずにスクリーンの中をジッと見ているのです。それは日常では味わえない張り詰めた空気で、尋常ではない緊張感を味わうことができました。

「ドント・ブリーズ」映画を観ている観客まで息ができなくなる

怖いだけでなく、そういった緊張感を楽しむことができたし、老人と主人公らが攻防を繰り返す展開もおもしろかったです。

ですが、どうしてもひとこと言いたいことがあるのです。

泥棒をすることになった事情も描かれています。でも、ですよ。泥棒や強盗はあかんやろ?と思うのです。

盲目の老人からお金を盗もうとして、捕まったら開き直って「何もしないから逃がしてくれ、お願いだ」って被害者面するって、盗人猛々しい(ぬすっとたけだけしい)にも程がある。

盗人猛猛しい
盗みや悪事をはたらき,それをとがめられても,ふてぶてしい態度をとったり逆に居直ったりするさまをののしっていう語。

盗人猛々しいとは - 日本語表現辞典 Weblio辞書」より

また、何万ドル以下なら何年以下の刑だから盗むのは何万ドルまでだとか、今警察に行くとこの罪になるだとか、己の保身のことばっかり考えている主人公らに嫌気がさしました。

そこで気づいたのですが、主人公ではなく老人に感情移入して観ると、まったく別の見え方がしてくるのです。

盲目のお爺さんの家に恐ろしい泥棒3人組が入ってきた。しかし、元海兵隊のお爺さんの反撃が今始まる・・・

そうなると「ヤバい! じじぃに見つかるな!」が「じいさん、そっちや! 捕まえろ!」になるのです。

これ画期的です。ホラー映画を観ていて、怖くてどうしようもなくなったら、襲う側に感情移入したら、怖さも半減するかも。
しないか・・・

ホントに老人側から観たい方には、オードリー・ヘップバーン主演の「暗くなるまで待って」がオススメです。
盲目の主婦スージー側から描かれています。